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2023.04.13

4月オープン 山麓のブルトレ宿に厳しい現実…逆境に負けない!経営者のアツい思い【香川・観音寺市】

かつての寝台特急、「ブルートレイン」を、遍路宿として生まれ変わらせたプロジェクトが早くも困難な局面を迎えています。車体の移送から2年。4月8日に晴れて開業を迎えましたが、待ち受けていたのは、厳しい現実でした。

観音寺市の雲辺寺ロープウェイ駐車場に置かれた「ブルートレイン」。青い塗装が目を引く車両を見つめる男性は、善通寺市の岸井正樹さん(62)です。岸井さんは、その道50年の大の鉄道ファン。中でも、小さい頃から好きだったのが、ブルートレインです。

そんな岸井さんが手掛けてきたのが、ブルートレインを遍路宿に生まれ変わらせるプロジェクト。2008年の引退後、鹿児島県で放置されていた車両を香川県に移送するなど、2021年4月から、観音寺市での開業に向けて準備を進めてきました。

(岸井正樹さん)
「いろいろな壁に当たってどうしようかということが何度もあった。やっとできたという感じ」

多くの困難を乗り越え、4月8日に開業したのが、ブルートレイン「オハネフの宿」です。2年待ち焦がれていた瞬間でしたが、待ち受けていたのは、厳しい現実でした。

(岸井正樹さん)
「もう少し席が埋まると思った。単純に休み前だから来てくれるというのではない。読みが甘かった」

開業から5日経つも、これまでに泊まったのはわずか4人。ゴールデンウイークの宿泊予約も受け付けていますが、問い合わせの連絡は一向に増えません。

(岸井正樹さん)
「土曜・日曜だが、来週はいない。宿を維持していくには不安要素。今からどれくらい来てくれるかめちゃくちゃ不安」

宿として存続させるには、月々の運営費に加え、電気や水回りの設備のリース代を支払う必要があるため、このまま予約が入らなければ、翌月の営業さえも難しくなるといいます。

(岸井正樹さん)「皆さんの協力で何とか…」

宿泊料金は1泊5000円から。快適に利用してもらえるようオープン後も整備を進めています。岸井さんにとって、人生をかけた一大プロジェクト。このまま終わるわけにはいきません。

(岸井正樹さん)
「『もう駄目かな』と思うことが何度もあったが、『これは絶対しなければならないことだ』と思ってずっとやってきた。まだ諦めていない。たくさん来ることを夢見てやっている。列車が末永く、いつまでも残るように協力をお願いしたい」