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2023.08.15

聴覚の障害を乗り越え健聴者と目指した「手話ダンス甲子園」 手話ダンスを通して伝えたかった思い【岡山】

手話を取り入れたダンスパフォーマンスの全国大会「手話ダンス甲子園」が9月、初めて開かれます。聴覚の障害を乗り越えて予選大会に挑んだ岡山県の中高生チームがダンスに込めた思いを取材しました。

倉敷市のスタジオで練習に励むのは、岡山県内の中高生11人で結成されたダンスチーム、「silent voice」です。

音楽の歌詞や世界観を手話やダンスで表現する「手話ダンス」。障害の有無にかかわらず、誰もが楽しめるパフォーマンスです。

チームをひっぱるのは天野七夏さん(17)と吉井優芽さん(16)、2人とも生まれつき重度の難聴で両耳に人工内耳を付けています。踊ることが好きで小学生の時からユニットを組み様々な舞台で活躍してきました。

今回、新たなメンバーと挑戦するのは2023年に初めて開催される、手話ダンスの全国大会です。2人以外の9人は耳が聞こえる健聴者、手話には初挑戦です。

「(手話難しい?)うん」
「ちょっと動きが違ったら意味が変わるのが難しい。ななちゃん(天野さん)に聞いてやっている」

ろう学校に通っていた天野さんが、メンバーに手話を教えます。一方で、リズムがつかみづらいときなどは聞こえるメンバーが支えます。

(silent voice 吉井優芽さん)
「今回初めて、難聴と聞こえるメンバーが一緒に踊る。障害者とか関係なく、一緒に踊れるんだということを伝えたい」

大会に進む3チームを決める西日本の予選大会です。パフォーマンスの芸術性やメンバーの多様性などが評価のポイントで、歌詞を手話や表情で表現し観客に伝えます。

「ひとりでは叶えられない夢があるから~僕たちはきっと出逢ったね♪」

ステージを降りた彼女たちの目に浮かぶ涙。見事、特別枠での全国大会出場を決めました。

(silent voice 天野七夏さん)
「11人でお互い支えて、しっかり練習して頑張ったと思う。やり切った」

(silent voice 吉井優芽さん)
「ダンスは誰でも踊れる、この手話ダンスで障害に関係なくダンスを楽しんでいるということを伝えたかったので、伝えられて良かった」

耳の聞こえる人も聞こえない人も。ダンスを通じてそれぞれが輝ける手話ダンスです。