アメリカと中国の国交樹立など冷戦時代の国際政治に大きな足跡を残したアメリカのキッシンジャー元国務長官が１１月２９日亡くなりました。かつて岡山で２度講演したキッシンジャー氏。ゆかりの人からは悼む声が聞かれました。

（キッシンジャー元国務長官）
「今、変革の時を迎えている」

２００９年と２０１１年の２度、岡山市で講演したキッシンジャー元国務長官。北朝鮮の核問題や、気候変動など世界情勢の行方について語りました。

（キッシンジャー元国務長官）
「どの国も危機に直面している」

キッシンジャー氏は、ニクソン大統領とフォード大統領、２人の政権で外交政策に絶大な影響力を行使し、米中の国交樹立のほか、ベトナム戦争でのアメリカ軍撤退に向けた秘密交渉でノーベル平和賞を受賞しました。

２０２３年７月には中国・北京を訪問。習近平国家主席と会談し、冷え込んだ米中の関係構築にも貢献してきました。キッシンジャー氏は１１月２９日、アメリカ東部コネチカット州の自宅で亡くなりました。１００歳でした。

岡山での２度の講演で、会場となったのが岡山大学です。当時の学長、千葉喬三さんは。

（当時の岡山大学学長　千葉喬三さん）
「教育がどれだけ社会に必要かという話はだいぶした。そんな見方をしているのか、そんなことに気が付いているのかと歴史を振り返った話をしてくれることもあるし、相当いろんなことを積み上げてこられたのだと。素晴らしい方だと思う。もうあんな政治家は出ない。」

また、キッシンジャー氏が視察した吉兆庵美術館を運営する岡山市の菓子メーカー、源吉兆庵ホールディングスの岡田憲明社長は「世界の平和外交をリードされた、まさに外交の鉄人といえる方でした。お話を直接お伺いできたことは、私のかけがえのない財産となっております。謹んでお悔やみ申し上げます」とコメントしています。