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2024.07.26

約30年前は水質汚染ワースト3位…児島湖の水質改善するも16年以降”足踏み状態”【岡山】

「テナガエビ」で水質改善を目指したい。そうした特徴的な取り組みを進める岡山県南部の人工の湖、児島湖では、一定の水質の改善が見られていましたが、ここ最近、足踏み状態となっています。

児島湖で取れたテナガエビのから揚げです。

(前川裕喜 記者)
「児島湖のテナガエビはパリパリしていておいしい。おやつやおつまみとしてぴったり」

食べておいしいテナガエビ。水質汚染の原因となるプランクトンなどをエサにしていて、水質の改善にもつながります。

岡山市と玉野市にまたがる児島湖は、農業用水などを確保するために造られ貯水量は約2600万トンです。県の人口の3分の1の生活排水などが流れ込み、30年近く前は、水質汚染の度合いが全国の湖の中でワースト3位でした。

7月24日、岡山市で開かれた対策推進協議会で、県は規制などによって汚染を示す数値が20%ほど改善したと報告しました。ただ2016年度以降は横ばいで国の環境基準はクリアできていません。

(岡山県環境管理課 高橋和宏課長)
「下水道とか合併浄化槽とか普及してきて9割近くが生活排水対策をしている。今後、大きくは生活排水の削減は難しい状態」

県は2018年度から児島湖をテナガエビの産地にすることで、水質改善を進めようとしていますが、知名度は高まっておらず道半ばの状態です。

(岡山県環境管理課 高橋和宏課長)
「劇的な(対策)というのは難しいので一つ一つ取り組みを進めたい。(今は)油を流さないとか調理くずを流さないなど水質汚濁の対策に協力してもらえるとありがたい」

県は川から流れ込む水の量を増やし、汚染の濃度を薄めることも検討しています。