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「まん延防止」に移行→要請続く飲食や観光の現場では対応に追われる 我慢と試行錯誤の日々…【岡山】

2021.09.10

「まん延防止」に移行→要請続く飲食や観光の現場では対応に追われる 我慢と試行錯誤の日々…【岡山】

岡山県は、9月13日からまん延防止等重点措置に移行します。緊急事態宣言は、解除されるとはいえ、依然、厳しい要請が続くことになり、飲食や観光の現場では対応に頭を悩ましています。

(リカーランドアヤノ 綾野富夫社長)
「やっぱりかと。飲食店を相手にお酒を販売しているので、私どもの商売としても非常に厳しい状態が9月いっぱいは続くのかな。」

岡山市で酒の卸売業を営む綾野富夫さんです。取引先は、岡山市と倉敷市の飲食店、約400軒で、8月20日から約1カ月の間、注文はほとんどありません。

2020年は、コロナ禍で忘年会が減り、年末は大打撃。2021年も、相次いだ「緊急事態宣言」による飲食店への休業要請など、長引く苦境に耐えてきました。

(リカーランドアヤノ 綾野富夫社長)
「我々の業種に対してはなかなか支援金も得られないということで、色んな方面にも働きかけている。」

何とか現状を打破しようと、卸売業者にも支援金が支給されるよう要望に出向いたり、個人の注文を受け自宅へ配達するサービスなども始めました。

さらに綾野さんは、安心して飲食店を利用できる環境を整えようと、県独自の新たな取り組みに参加しました。

それは、綾野さんのような飲食店の取引業者が納品の際、店の感染予防対策をチェックするというものです。その指導員の資格を取ったのです。

(リカーランドアヤノ 綾野富夫社長)
「気持ちが落ち込んでしまうとやはり商売に対する意欲がなくなるので、常に前を見て何か新しいことを考えながら、少しでも売り上げを伸ばしていけることを従業員とともに考えて乗り切りたい。」

みずみずしい実が、たわわに実っています。こちらは、赤磐市の観光農園です。ブドウは今がまさに旬。例年ならば多くの観光客がブドウ狩りに訪れますが…

(桃茂実苑 友實浩子社長)
「普段だとマスカットが(狩られて)なっていないのが当たり前だが、緊急事態宣言が出て客も来られず、まだマスカットが鈴なりに一面になっている状態。」

中には、狩られることなく茶色く腐ってしまったブドウも…

緊急事態宣言の発令で、約1000人分の予約がキャンセルになり、観光農園は、10日まで休業していました。

まん延防止措置への移行に多少の期待を寄せますが、メインターゲットである関西方面の動きは芳しくありません。

(桃茂実苑 友實浩子社長)
「大阪・兵庫が大勢来るので、そこが緊急事態宣言で来られないということは、ほぼほぼ期待できない。」

観光農園は休業中ですが、スタッフはブドウを箱詰めする作業に追われていました。

実は、ずらりと並ぶ箱の全てがコロナ禍で始めたネット販売用のブドウやモモです。食品ロスを減らそうと、フリマアプリに8月から商品を掲載してみたところ、売れ行きが好調だといいます。

(桃茂実苑 友實浩子社長)
「ブドウを売っていく先、出口を見つけるために色々試行錯誤しているところで、ネットはすごく良いツールだった。」

食品ロスを減らして生産者の生活も守る。園は11日からは、週末を中心に営業を再開していくことにしています。

(桃茂実苑 友實浩子社長)
「来てくれることがありがたい。普段以上におもてなしの心を持って来て良かったと思ってもらえるように、まん延防止になったからこそ頑張ろうと言っている。」

まん延防止措置に移行してもまだまだ続く自粛生活。試行錯誤の日々が続いています。