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一時保護も2週間で解除…なぜ最悪の事態は防げなかったのか 女児虐待死事件 専門家は…【岡山・岡山市】

2022.02.16

一時保護も2週間で解除…なぜ最悪の事態は防げなかったのか 女児虐待死事件 専門家は…【岡山・岡山市】

真愛ちゃんが亡くなる約3年前から、岡山市の児童相談所は対応に当たっていました。なぜ最悪の事態は防げなかったのか、近所の人の証言と専門家の見方を交えて検証します。

関係者などによりますと、末っ子の真愛ちゃんは4人兄弟で、岡山市中区の家で2020年12月まで約2年間過ごしていたといいます。

近所では船橋容疑者とみられる男の存在も確認されていました。

(近所の人は…)
「真愛が毎日(私の所に)来ていたから。2回ぐらいは真愛がちょっと言ってきたことがある。だけど、あとは男も真愛がここへ来ているのを知っているから、私にに知られてはいけないと思うから。家の中ではしていたんだろうけど、その時は真愛も何も言っていなかったし、助けてとは言わなかったあの時に。」

岡山市の児童相談所「こども総合相談所」には、2019年4月に知人男性からの暴力が疑われるとの通告があり、児相は7月に西田容疑者を「第三者による子供への暴力を止められないネグレクト」と判定、家庭訪問などによる見守りを開始しました。

(奥原怜奈記者)
「2020年9月、2人は夜中に全裸の真愛ちゃんを目隠しして墓地に連れ出し船橋容疑者が真愛ちゃんを叱責する姿が目撃されています。」

その後、児相は真愛ちゃんを一時保護しましたが、船橋容疑者が反省の態度を示したことなどから、保護は2週間で解除されました。児童虐待の問題に詳しい専門家は…。

(山梨県立大学人間福祉学部 西澤哲教授(日本子ども虐待防止学会理事))
「実際に20万件超の通告がある中で一時保護される子供は4万から5万人で、4分の1から5分の1程度。今までの情報を総合してこれはリスクが高いと当然判断するべきだった。一時保護してその間に何をちゃんとできたかが問われる。」

そして約1年前、真愛ちゃんらは事件が起きた北区花尻の家に引っ越したといいます。

(近所の人は…)
「泣き声はそこの小さな部屋に子供を入れていつまででも出さんと折かんをするというか、あまりにもかわいそうと評判になった。子供を守る組織に電話したと聞いて(その人が)来たが、やはり収まらない。何回も続けていた。」

児相が船橋容疑者と最後にコンタクトが取れたのは2021年1月。電話でのやり取りでした。事件1カ月前の2021年8月に訪問した際には、西田容疑者が「親戚の家に行っている」と説明したため、真愛ちゃんと会うことはできず。

保育施設の登園記録では風邪のほか、緊急事態宣言下の家庭保育に応じていたなどの理由で休んでいたため虐待の疑いに気付けなかったということです。

(岡山市こども総合相談所 江田始男所長)
「問題は無かったと考えておりますけれども、実際の問題として大変重篤な事案になっているということは重く受け止めないといけないと。」

この児相の見解に対し、専門家は…

(山梨県立大学臨床心理学 西澤哲教授)
「もしマニュアル通りにやっていて子供が死んだとしたらマニュアルに問題があるからこれを変えないといけない。見立てが間違っていた、本来はどういう事案だったかを徹底的に調査してその上で児相のあり方を示していく、本当の意味での検証をしてほしい。」

幼い命の叫びはなぜ届かなかったのか?市は近く、外部の有識者による会合を開き、児相の対応を検証することにしています。