４月８日に男子ソフトボールの日本リーグが開幕。７度目の優勝に向け、新シーズンを迎える岡山市の平林金属ソフトボール部を取材しました。
今季のスローガンは「完全制覇へ個の色を鮮やかに新色の黄金を創れ」。 今シーズンはキャッチャーとショートのセンターラインが抜け、新たなチームでリーグに臨みます。

日本リーグは、２０１９年に東西のリーグが統一され、１８チームが参加。
ヒラキンはこれまで３大会連続６度の栄冠を手にしました。 チームを率いるのは吉村啓監督です。２０２２年１１月に開催されるワールドカップの日本代表監督にも就任。世界ランキング１位の日本代表監督は、リーグでも日本一を狙います。 （吉村啓監督）
「２０２２年は機動力を絡めながら、バントやセーフティーバント、（動きながら打つ）スラップなど、そこに長打を加え、色々なバリエーションで戦いたい」 これまで全員の爆発力で得点を量産してきたヒラキンですが、今シーズンは、セーフティーバントなど、機動力を交えた攻撃にスイッチ。 得点源のクリーンナップは、世界レベルの強打者が並びます。

３番の松田投手は、投手と打者の二刀流でチームをけん引。 ２０１９年の世界選手権では、防御率や打率など、主要タイトルも獲得。日本１９年振りの銀メダルに貢献し、日本人４人目となる世界野球ソフトボール連盟の最優秀選手にも選ばれました。
世界トップクラスのバットコントロールで、ヒットを量産します。

（松田光投手）
「若い子が良い流れを作ってくれると思うので、しんどい試合、大事な場面で打てるようなベテランの味を出していきたい」 ４番はチームの精神的な柱、とにかく明るいキャプテンの鳥山選手です。昨シーズンは首位打者を獲得、最高殊勲選手賞にも選ばれました。１８５センチ、体重１００キロの体格を生かしたボールをつぶす豪快なバッティングが売りです。 （鳥山和也選手）
「松田さんの後を打たせてもらっているので、警戒も強くなると思う。そこで打てなかったらチームも勝てない。４番が打てなかったら試合も負けるので、絶対打ちます」 そして、５番の八角選手も世界選手権・準優勝メンバーの１人。コンパクトなスイングで、ミートがうまく、チャンスに強い選手です。 日本の頂点に何度も立つヒラキンですが、こんなことも…。 自身で撮影した動画を編集し、ＹｏｕＴｕｂｅにアップしています。チャンネル登録者数は約２万４０００人となりました。 （松田光投手）
「少しでもソフトボールを知らない人に興味を持ってもらえるか考えた時に、ユーチューブにあげたら目に付くと思い始めました」

日本一のメンバーは未来を見据え、競技人口の底上げにも力を注いでいます。
守りの軸は、エース松田投手と入団２年目の小山投手です。

日本代表のエースも務める松田投手は、１２０キロを超えるドロップに加え、打者の手元で浮かぶライズボールなど、６種類のボールを使い分けます。 （松田光投手）
「小山の支えになれれば。シーズン通して１人はきついので、要所要所でしっかり投げて自分の役割を果たしたい」 そして、１８０センチの長身、小山投手の武器は、国内最速と言われる１３５キロのカットボールです。バッターボックスでの体感は、１８０キロ後半に相当するといいます。 日本代表の２枚看板が守りの要です。

（小山玲央投手）
「国内では速い方だと思う。スピードとかコントロールをミスしないように投げるのが売り。２０２１年は（自分が投げて）負けていないので、継続的に負けなしでシーズンを終われるように頑張りたい」 個性あふれるチームに、新たに２０歳の小島聖矢選手が入団しました。 若い選手も加わり、チーム内の競争も激化。全体のレベルも上がっています。

（吉村啓監督）
「打つ力が落ちた分、点差が拮抗してくると思うので、よりスリリングな試合が見られると思う。３対１のゲームを繰り広げられれば日本一になっていると思う」 日本リーグは４月８日に開幕。ヒラキンは７度目の日本一を狙います。