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2022.03.31

復興支えた真備町の飲食店「ノラネコ食堂」閉店 豪雨被災地から新たな場所へ【岡山・倉敷市】

西日本豪雨の被災地、倉敷市真備町で、食で復興を支えてきた飲食店が、3月31日を最後に閉店することになりました。

倉敷市真備町川辺の「ノラネコ食堂」。店主は、岡山市で飲食店を経営する岩田圭司さんです。

4年前の西日本豪雨の際、岩田さんは、真備町で、がれきの搬出や炊き出しなどのボランティア活動をしたことがきっかけで、災害から1年後の2019年8月、「ノラネコ食堂」をオープンさせました。

(ノラネコ食堂 岩田圭司店主)
「被災者から『いつまでも無料で配るのではなく、お金を取ってほしい』と言われた時、地元の人に還元できるような施設として、定食屋という発案に至った」

町民の駐車場を借りて営業を始めた「ノラネコ食堂」は、わずか12席ほどの小さな店ですが、昼間は、定食などを中心とした飲食店、夜は居酒屋として、復興工事に携わる関係者や地元住民などに親しまれてきました。

しかし、3年間の敷地の使用期限を迎えたことから、3月いっぱいで閉店することになりました。

(ノラネコ食堂 岩田圭司店主)
「被災者や非被災者、ボランティア、町に来る人が、夜の営業で、お酒をはさんで、ざっくばらんに会話を重ねたりする瞬間に立ち会えた時、 (店を)やって良かったといえる。一つのタイミングとして、一つ学校を卒業したような気分」

営業最終日となった31日は、閉店を惜しむ常連客らが次々と店を訪れ、にぎわいました。

(常連客は…)
「きょう最後と聞いて、夜勤明けでそのまま来て、食べて帰ろうかなと思い来た」
「いろんな人と知り合えたので、すごくいい店だった」

31日で真備町から店はなくなりますが、岩田さんは将来、「ノラネコ食堂」の看板で岡山市に店を出し、真備特産のタケノコを使ったメニューなどを提供したいと考えています。

(ノラネコ食堂 岩田圭司店主)
「また違う地で、ノラネコ食堂をオープンした際には、真備の方が、ノラネコ食堂はここに移転したんだと、遊びに立ち寄ってもらえるきっかけになってくれれば」

真備地区の復興を食で支えてきた「ノラネコ食堂」、夜の営業の終了とともに3年間の歴史に幕を閉じます。