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これからの「新型コロナとの向き合い方」関西福祉大学・勝田吉彰教授(1)【岡山・香川】

2022.05.11

これからの「新型コロナとの向き合い方」関西福祉大学・勝田吉彰教授(1)【岡山・香川】

行動制限の無かったゴールデンウィークを終え、新型コロナウイルスの新規感染者数が増加傾向にある中、私たちはコロナにどう向き合っていけばいいのか?関西福祉大学の勝田吉彰教授のインタビューを3回にわたって紹介します。GW明けの感染者数の増え方については「人出が増えた範囲で想定内」という勝田教授。今後の見通しについては・・・


【一番怖いのは“全く新しい変異株”の出現】

(関西福祉大学・勝田吉彰教授)
「これから一番怖いのは、全く新しい変異株が出た時。例えばデルタからオミクロンに変わった時のような“天井を突き抜けるような”型が出る事。幸いな事に今そういうものは世界中で無くて、せいぜいオミクロン株のマイナーチェンジ。BA2の他に、BA4、BA5が南アフリカ、ボツワナで増えている。日本にもいずれ入ってくると思うが、何割か感染力が増えることがあっても、常識がひっくりかえるような話ではない」

【旅行は目的地より“行き帰り”に注意!】

Q、多くの人がマスクをしていても感染が広がる理由は?
「旅行の“主たる目的地以外”でかかることもある。例えばスポーツイベントならスタジアムでは感染対策に注意が払われているし、お互いの目もある。しかし、そこを離れてから家の敷居をまたぐ間、例えば二次会に行ったり、駐車場でお菓子を食べたり…イベントの前後が危険な所」

Q、家族での食事も感染の可能性がある?
「必ずしも(感染時に)飲酒を伴うとは限らない。4人未満の場では大きな声を出す事はないが、大人数の時、例えば帰省して一族集まれば10人以上になるかもしれない。飲食店ではなく家の中でも、それに近い状況はありうる」

Q、香川県では5月8日に過去最多を記録。感染の“足の速さ”は何に起因する?
「オミクロン株。デルタ株から足は速くなっていたが、オミクロンになって1粒のウイルスから周辺に広がる増え方が早くなる事は確実にわかっている。そこが大きな原因」

【高齢者の重症患者が増加】

Q,オミクロン株の症状は?
「(これまで)重症化しない部分だけが協調されてきたが、母数となる感染者が増えているので、高齢者で重症化する人も増えてきている。オミクロン株では特に高齢者のクラスターが言われている。ワクチンの接種が進むとともにリスクは減るはずだが、接種が進んでいる大阪で、高齢者に限っても80%ちょっと。2割くらいの人がしていないので、リスクは残っている」

Q、オミクロンでも後遺症は出ている?症状は?
「しっかりと出ます。デルタでもオミクロンでも同じようにある。判断力が落ち、記憶力が落ち、頭の回転が落ちてパフォーマンスが上がらないという状況」

Q、今後、感染者の数は増える可能性が高い?
「従来の“天井を突き抜けるような”事はないと思うが、ある程度の揺り戻しはあると思う。GWの影響自体は今後1週間、長引く人もいるのでプラスアルファして2週間くらいまで考えたほうがいい。気候が良くなり(行楽地などの)人出はこれから増えていくのでガクンと減ることはない」

Q、病床の負担は?
「リスクの高い高齢者、基礎疾患を持つ方の中にどれだけ感染が浸透していくかにかかっている」

【これからの“感染予防の在り方”は…】

Q、GWの「行動制限なし」についてどう思うか?
「行動制限の実効性、すなわち『人々が従ってくれるかどうか』に疑問符があった。恐らく行動制限を呼びかけていてもあまり変わらない状況だったと思う。今後必要なのは、『一旦制限を解除して、医療のひっ迫状況によって再び行動制限を発動する』といったメリハリだと思う」

Q,ウィズコロナの形ということ?
「これからのコロナとの付き合いは、1つの方向性だけではない。つまり、変異株の動向によってガッと増えたり減ったりする。例えばマスク1つ取っても、マスクを取っておしまいじゃなくて、『一旦マスクを取ってもいいです。でもまたしましょう』という、双方向で付き合うことが必要になっていると思う」


・・・今後やってくるのは「マスクのない日常」ではなく、「状況によってマスクをつけたり外したりする日常」という勝田教授。その対策は今や日本人の国民病ともいえる”あの症状”とも関係してくるそうです。
(必要なのは「きめ細かい感染情報」関西福祉大学・勝田吉彰教授(2)に続く)