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各陣営の動きが絡み合い、情勢は混沌…参院選岡山選挙区の構図は?【岡山】

2022.06.15

各陣営の動きが絡み合い、情勢は混沌…参院選岡山選挙区の構図は?【岡山】

7月10日投票の参院選まで1ヵ月を切りました。岡山選挙区では、各陣営の動きが絡み合い、情勢は混沌としています。

(小野田紀美氏〈自民・現〉)
「私は国民の剣となり盾となり、この国が長く健やかでいられるように仕事をしたい」

再選を目指す現職か。

(黒田晋氏〈無・新〉)
「『私たちが言ったら変わる』というのを 実感してもらいたい」

市長経験を持つ新人か。

(住寄聡美氏〈共産・新〉)
「お金の心配なく学べる社会にできるんじゃないか。これを訴えたい」

それともその争いに割って入るか。前哨戦は、すでに熱を帯びています。

自民党の公募で選ばれ、6年前、生まれ故郷の岡山で参院選に立候補した小野田紀美さん(39)。元参議院議長、故・江田五月さんの後継候補を破り初当選しました。

(小野田紀美氏(初当選時))
「待ったなしの地方創生。私自身も人口減少の進む農村の出身なので、ふるさとをどう守っていくか」

その後は、法務大臣政務官などを歴任し、現在は自民党の政調副会長。政策の研究や立案の中心メンバーです。

(小野田紀美氏)
「日本のこれからの課題、災害対策・教育・農業・工業・商業・コロナ対策・外交・防衛、ありとあらゆる課題はあるが、国会議員としてのこの1議席、しっかり守り抜いて、国でしかできないことで一生懸命恩返しをしていく」

そんな小野田さんは今回、6年前と異なる環境で戦うことになりました。

(自民党 茂木敏充幹事長)
「自民党として全国で32ある岡山を含む1人区で勝てるかどうかが勝負になる」

自民党の茂木幹事長をはじめ党の国会議員らがそろった4月の決起集会。そこに、政権で連立を組む公明党関係者の姿はありませんでした。発端とされるのが、小野田さんのSNSでの投稿。公明党に推薦を求めない趣旨で、結局、公明党は異例の自主投票を決めました。

陣営は自民党の支援団体などの組織票固めを徹底するほか、SNSでの積極的な情報発信で、若い世代などへの浸透を図っています。

(小野田紀美氏)
「きっと皆さんに心配をかけているのだろう。申し訳なく思っている。でも私は、自分の立場や身分や安全を守るために議員になっているのではない。地方創生・少子化対策・農林・国防・福祉もやらなければならない。その力を与えてほしい」

(黒田晋氏)
「本当の意味での地方創生をやりたい。やっていきたいということで今回挑戦している」

一方、自民党の牙城を切り崩そうと名乗りを上げたのが、元玉野市長の黒田晋さん(58)です。

(連合 芳野友子会長)
「黒田さんのような経験を持つ人が国会で活躍することは、真の地方再生を実現する上で極めて重要」

立憲民主党と国民民主党、そして、労働団体の連合岡山から推薦を受けていますが、与野党の対立軸には重きを置かず、無所属の立場で市長としての経験をアピールしています。「本気の地方創生」を旗印に地域の公共交通維持や医療の充実などを訴えています。

(黒田晋氏)
「現場の声をきちっと積み上げて、制度・政策に変えていく。地域の声を積み上げて、制度・政策に変えていく。これが原点だと思う。皆さんの思いを国で力一杯ぶつけていきたい」

自民党の加藤勝信前官房長官の義理の父で元農林水産大臣、加藤六月さんの秘書をかつて務めていた黒田さん。4期16年の玉野市長時代の選挙では、自民党、公明党から推薦を受けていて、今回、自主投票となった公明党支持者を含め、幅広い層からの支持を得たい考えです。課題は全県での知名度アップ。あいさつ回りで顔を売る日々を重ねています。

(黒田晋氏)
「信じて前に進んでいくと変えられるものは変えられると16年の市長の経験で感じた。岡山を変えれば全国が変わる。全国が変われば一人ひとりの生活が変わる」

(住寄聡美氏)
「ロシアによるウクライナ侵略、まさに戦争が目の前で起こる中、始まろうとしている参議院選挙。戦争か平和かが問われている」

参院選では9年ぶりに共産党の公認候補者となる元小学校教員の住寄聡美さん(39)。共産党は、過去2回の選挙で独自候補の擁立を見送り、野党候補の一本化に協力しましたが、今回は合意に至りませんでした。

(住寄聡美氏)
「敵基地攻撃能力という日本を守る意味ではなく、本当に戦争する国づくり。今必要なのは、軍事費の相当な倍増ではなく、教育予算や社会保障の相当な倍増」

住寄さんが掲げるのは、安全保障政策の見直しや消費税の減税。党の県組織で青年学生部長を務めていることもあり、学費の減免にも取り組みたいと訴えます。選挙区での得票はもちろん、党が全国で5人の当選を目指す比例区での票の積み上げも視野に、街頭演説や集会を重ねています。

6月5日には、党幹部の衆議院議員が応援に駆け付けました。

(笠井亮衆議院議員)
「国会に送ってほしい。心から訴えたい」

また、SNSや動画投稿サイトでのライブ配信などで活動の模様を発信し、幅広い層から支持を得たい考えです。

(住寄聡美氏)
「戦争する国づくりをストップすることと生活を守る政治はつながっている。平和を願うあなたの思いも、自分らしく生きられる社会にしたいという願いも、日本共産党の躍進で実現させよう」

岡山選挙区ではこのほか、政治団体、「参政党」の高野由里子さん(46)が立候補を表明、個性を伸ばす教育や日本の食料自給率アップなどに取り組むと訴えています。また、NHK党も候補者を擁立する考えです。

衆参で選挙区を完全制覇する自民党が力を見せつけるか。それとも野党勢力が風穴を開けるか。参院選、「岡山夏の陣」に向け戦いはますます熱くなりそうです。