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候補者が乱立する香川選挙区 野党の共闘が崩れた影響は? 参院選投票まで1カ月【香川】

2022.06.16

候補者が乱立する香川選挙区 野党の共闘が崩れた影響は? 参院選投票まで1カ月【香川】

7月10日の投開票まで1ヵ月を切った参議院議員選挙。香川選挙区では野党の共闘関係が崩れ、自民党の現職を含めて8人が乱立する見通しとなっています。その構図の背景をまとめました。

(立憲民主党 泉健太代表)
「野党もいろいろな方向を向いているので、あっちに気を使い、こっちに気を使うと、立憲民主党自身があっち行ったりこっち行ったりする。それはやるべきではない。まず立憲民主党がこういう政党だと明確にする」

6月16日、高松市で街頭演説を行った立憲民主党の泉健太代表。中央政界で野党共闘の鍵を握る人物が香川の地で支持を呼びかけました。参院選香川選挙区で野党の方向性の違いが決定的になったのは2021年3月28日です。

(立憲民主党新人 茂木邦夫氏)
「一番大事なのは定期的な政権交代」

立憲民主党は元土庄町議の新人、茂木邦夫さん(35)の擁立を発表しました。擁立の背景について、衆議院香川1区選出で立憲民主党の小川淳也政調会長は、同じ旧民主党の流れをくむ国民民主党の動向を挙げました。

(立憲民主党 小川淳也政調会長)
「非常に忸怩たる思い。国民民主党が全体としてかなり右ぶれして与党の補完勢力になっている」

香川選挙区では過去2回、共産党を含めた主要な野党が共闘し候補者を1本化。自民党との対決の構図を作ってきました。しかし、2021年の衆院選で自民党に大敗した野党各党の中で、共闘の考え方にズレが生じます。早々に方針転換したのが国民民主党です。国会で岸田政権が提案した2022年度の当初予算案に賛成するなど、政権への歩み寄りを見せたのです。

(国民民主党 玉木雄一郎代表)
「今までの野党は何が何でも反対していたが、一般国民はそんな野党は求めていない。良いことは与党であれ野党であれ前に進める」

衆議院香川2区選出で、国民民主党の玉木雄一郎代表は3月28日に高松市で会見を開き、方針の転換を強調しました。そして、香川選挙区に元官僚の新人、三谷祥子さん(55)の擁立を発表、立憲民主党との決別を鮮明にしました。

(国民民主党新人 三谷祥子氏)
「日本の今の停滞を何とか打破するため、必要な人づくり、その仕組みを(政治に)参加して整えたい」

(国民民主党 玉木雄一郎代表)
「いろいろな形で候補者を1本化する調整もあるが、それをやると政策的合意がないのに選挙のため1本化したという批判もあり、政党が別である以上それぞれの立ち位置、考えを問うのが原則」

そして、野党共闘に前向きだった共産党も新人の石田真優さん(40)の擁立を発表しました。

(共産党新人 石田真優氏)
「苦しみの大もとにある自民党の政治を変えることが大事と多くの人に伝えたい」

ウクライナ情勢を受け、自民党が自衛権の範囲で外国の基地を攻撃する「反撃能力」の保有や防衛費の大幅な増額を求めたことを受け、軍拡反対という党の独自色を前面に打ち出しています。

(共産党 山下芳生副委員長)
「日本を守るという話ではなく、日本に戦火を招き入れる危険がある。危険な議論に絶対にくみすることはできない」

2021年の衆院選で大きく議席を伸ばし、全国へ党勢拡大を狙う日本維新の会は新人の町川順子さん(63)の擁立を発表しました。

(日本維新の会新人 町川順子氏)
「この戦いで日本維新の会がどういう立ち位置になれるかはっきりする。まずは野党第1党を目指す」

松井一郎代表も高松入りし精力的に支持を呼びかけています。

(日本維新の会 松井一郎代表)
「昭和の時代の政治を変えて、令和の時代の持続可能な日本、持続可能な香川をつくり上げる」

一方、自民党は官房副長官を務め抜群の知名度を誇る現職の磯崎仁彦さん(64)の公認を発表しました。公務が忙しく選挙活動への影響が懸念される中での野党の候補者一本化の見送り。選挙戦での優位が見込まれる一方で、陣営は、緩みを警戒し一層の引き締めを図っています。

(自民党現職 磯崎仁彦氏)
「去年(2021年)10月の衆院選香川でも野党票を足し合わせれば自民党と拮抗する。参院選も厳しい選挙になると思うので緊張感を持ってやる」

このほかいずれも諸派で参政党が新人の小林直美さん(48)、維新政党・新風が新人の鹿島日出喜さん(78)の擁立を発表したほか、NHK党も新人の擁立を予定しています。

8人が乱立する見通しの香川選挙区。野党の共闘が崩れた影響は、どのような影響を与えるのか?各党の思惑が交錯する中、本格的な選挙戦に突入します。