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2022.06.22

産地は“バブルの宴” 高級ぶどうが売れすぎて…価格高騰!栽培面積は900倍に【岡山】

わずか10数年前に登場したブドウ、シャインマスカットが急拡大しています。高い収益が見込めるため、岡山県内でも農家が続々と栽培を始めていて、「シャインマスカットバブル」とも言われています。

皮ごと食べられる種なしのブドウ、シャインマスカット。6月から店頭に並び始め、岡山市内のこのデパートでは、数あるブドウの中でも売上ナンバーワンを誇る人気です。

値段は、ここ数年で2割から3割アップし、今や果物の女王と呼ばれるマスカット・オブ・アレキサンドリアに引けを取りません。

(天満屋岡山店 小林圭介課長)
「比較的新しい品種。従来マスカットといえばアレキサンドリアだったが、年々シャインが人気になっている。皮ごと食べられて種もないので、パクパク食べられるのが特徴。甘みと酸味のバランスが非常にいい」

シャインマスカットは、今から10数年前に登場したまだ新しい品種です。種がなく、大粒の実をつけることが注目され、栽培の研修会などが各地で開かれました。

その結果、15年前、全国でわずか2ヘクタールだった栽培面積が、2019年には900倍の1800ヘクタールまで急拡大しました。

なぜここまで急速に増えたのでしょうか?

その理由の一つが、その高い収益性です。県の農業普及指導員、高橋さんは、農家のこんな声を聞くといいます。

(県東備農業普及指導センター 高橋知佐主任)
「1万円札がぶら下がっているという人もいる。これだけいいものを作っていれば」
「マスカット・オブ・アレキサンドリアより手間がかからない。(それで値段は)トントンかやや高い」

果物の女王、アレキより少ない労働力で、高い売上が見込めるシャインマスカット。生産者の間では、こんな話題も出るそうです。

(山陽ブドウ部会 坪本真一副部会長)
「本当にありがたい事で、バブルとよく言っている。これだけ人気が出る品種は、この後も出ないのではと言われていて、そのくらいすごい人気」

こちらでは、大きな粒にこだわり、香港や台湾で高値で販売されています。バブルと言うだけあって、シャインマスカットの価格崩壊にも備え、他の品種にも力を入れています。

しかし、食べやすくておいしいこのブドウの人気がやむ気配はなく、バブルの宴はまだまだ続きそうです。