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増え続ける感染者“日本特有の事情”…「行動制限の無い夏」どう過ごす?勝田吉彰教授(3)【岡山・香川】

2022.08.03

増え続ける感染者“日本特有の事情”…「行動制限の無い夏」どう過ごす?勝田吉彰教授(3)【岡山・香川】

8月3日の新型コロナウイルス新規感染者数は、岡山県・香川県ともに過去最多を更新しました。拡大する「感染第7波」について、関西福祉大学の勝田吉彰教授は、「世界的に感染者が増えている状況だが、さらに日本特有の事情がある」といいます。

■感染者が増えた“日本特有の事情”
2022年の夏、日本では“猛暑”と“選挙”が同時にやって来ました。

(関西福祉大学・勝田吉彰教授)
「(冷房で)窓を閉めるので換気しにくく、エアロゾル感染しやすい。また、感染者が増えてきた頃、参議院選挙があった。アメリカの大統領選やミャンマーの総選挙の後でも感染者が増えている」

■行動制限がない夏
こうした中、世の中はお盆休みに入ります。3年ぶりの「行動制限のない夏」をどう過ごすべきなのでしょうか?

(関西福祉大学・勝田吉彰教授)
「行動制限は“上から抑えるもの”。最初は世界中で必要だったが、人間の知恵がついて、『どうすれば感染が広がるか』わかってきた。治療法や診断法などプロフェッショナルの領域だけでなく、一般の人がどうすればいいのかも、沢山知見が集まった。基本は「か(換気)み(密集)か(会話)み(皆で防ごう)」。中でも、夏は換気が非常に大事」

■大事なのは“想像力”
そして、自分や目の前にいる人が「ウイルスを排出しているかもしれない」という想像を働かせる事が大事だといいます。

(関西福祉大学・勝田吉彰教授)
「過去にクラスターがどんなところで起きたか、ぜひ思い出してほしい。地下で換気が悪くて大勢の人が密集するところで大規模なクラスターが発生した。そのような条件は避けるなど、これまでの報道を思い出してリスクの判断を」

■帰省時に注意するポイント
「『帰省そのものをやめて』というメッセージはどこからも出ていないので、自分の判断ですればいい」と話す勝田教授。しかし注意するポイントがあります。

「久しぶりに帰省すると決めた方は、“帰省した先”で何をやるのかが大切。往復の電車の中では注意事項のアナウンスがある。むしろ降りてから、実家についてから何をするか。高齢者に接することは最小限に。自分の体調が万全ではない、発熱がなくても喉がイガイガするとか、だるいとか、そういう事があれば接するのはやめていただきたい。体調に異常がなくても、夜中まで酒を飲んで積もる話をし続けるのは避けてほしい。最低限、食事をするだけに。何とか工夫をして接する時間を減らすのと、換気をしっかりすることをぜひ守ってもらいたい。一番まずいのは高齢者施設におけるクラスター。重症化のリスクが高い人が感染するのはよくない。面会に行く人は徹底してほしい」

■イベントも“前後に注意”
夏は帰省だけでなく、多くの人が集まる音楽フェスなどもあります。こうしたイベントの“前後”もリスクです。

(関西福祉大学・勝田吉彰教授)
「イベントスペースや有名観光地は最大限の注意をしている。離れてからの方がリスクは高い。それに野外コンサートでは、前夜祭からテントを張って一晩騒ぐ、グッズショップで並ぶ、熱中症で倒れて運ばれる、という姿を救護所で目にしてきた。自宅からイベントに行く間、帰ってきて自宅の敷居をまたぐまで、すべてイベントと思ってほしい」

(終)