2021.12.06
看板俳優は“95歳” 商店街で徘徊演劇 あなたはどう生き どう老いますか?【岡山・岡山市】
役者や観客が移動しながら話が進む徘徊演劇と呼ばれる演劇が11月、岡山市中心部の商店街で上演されました。
看板俳優は95歳の男性、老いや死、認知症といった高齢化が進むなかで避けて通れない命題を、この男性を通して考えます。
11月27日
(演技の様子)
「20年ぶりに岡山に帰ってきました」
「あの時のしんちゃんか」
95歳の看板俳優、岡田忠雄さんが熱演します。
岡田さんは、老いや死、認知症などをテーマに演劇をする劇団、「OiBokkeShi(おいぼっけし)」の役者で、「おかじい」と呼ばれています。
「おかじい」が、認知症の妻を探すこの物語は、役者や観客が移動しながら進行する徘徊演劇です。
市民にも演劇を身近に感じてほしいと、岡山市のNPO法人アートファームが企画し、初めて、岡山市中心部の表町商店街で上演されました。
(演技の様子)
「言いたくないけど…うちのばあちゃん、今でいう認知症」
岡田さんは、8年前、劇団を主宰する菅原直樹さんに出会い、夢だった役者の道に足を踏み入れました。
そんな岡田さんには、認知症の同い年の妻、郁子さんがいます。
15年以上、岡田さんが1人で介護してきましたが、郁子さんは2021年施設に入り、自宅に帰って来られなくなりました。
(岡田忠雄さん 95)
「(妻・郁子さんはどんな様子?)ずばり言いましょう。あしたの命は分からない。それを考えていたら舞台に立てないから。忘れてしまわないといけないけど頭から離れない」
劇団を率いる菅原さんは、岡田さんの人生そのものを脚本にしてきました。
(劇団「OiBokkeShi」主宰 菅原直樹さん)
「岡田さんと僕が出会って生み出された物語。今回市民と表町商店街で作ることになって、物語がより開かれて、いくつもの物語を含んだ大きな作品になった」
演劇には、劇団のメンバーに加えて、オーディションで選ばれた中学生から70代までの市民も参加します。
一般の人たちとの共演は、おかじいにとって初めての経験です。
(初顔合わせ)
(岡田忠雄さん 95)
「芸名はおかじいと言います。よろしくお願いいたします」
【約1カ月の稽古】
【商店街の店も舞台に】
![95歳おかじい13-2](/cgi-image/15572/15572_IPxGAbFyMDxYrJkjotwEoKrogIuVTsAXJMdHEOhHxaGfsFFwxC.jpg)
「岡田さんがこういう時どうするか、芝居の参考にしたい」
「スルメを買いに行く時何と言いますか?」
「スルメはないの?それだけ」
「分かりました」
「ありがとうございます」
(岡田忠雄さん 95)
「おかじいは今回一番難しい」
「だけど出た以上やらなければ」
【いよいよ公演】
(岡田忠雄さん 95)
「楽しく頑張りましょうというより、僕は楽しくが好き。楽しく皆さん、がん…楽しくやりましょう」
「えいえいおー」
この日集まった観客は約30人。障害がある人も楽しめるようにと、手話通訳や音声ガイドが付けられたバリアフリー公演です。
20年ぶりに岡山に帰省した主人公の青年は、おかじいに頼まれ、認知症を患うおかじいの妻を探して、商店街を歩き回ります。
幼馴染のいるこの店で、主人公は、ある事実を知ることになります。
(演技の様子)
「ばあちゃん去年亡くなっておらんのよ」
「じいちゃん相当ショックだったと思うよ」
「じゃあじいちゃん…」
「それから商店街歩き回って、ありもせんことしゃべって」
「1人暮らしは限界かもな」
「ごめん じいちゃん」
「ばあちゃん探したけど見つからなかった」
「力になれなくてごめん」
(岡田忠雄さん 95)
「ばあさん家におった!」
「ばあさんおった?」
(プリンを食べながら主人公と話すシーン)
「おいしい!ばあさんに食べさせたい…」
「ばあさんに食べさせたい…」おかじいのこのセリフは台本にはありません。
(岡田忠雄さん 95)
「はっと思うのは、女房に食べさせられないのに、自分だけ食べてはいけないと」
流動食しか食べられなくなった「岡田さん」の妻への思いがあふれました。
(演技の様子)
「おらなかったら寂しいんよ、寂しいんよ」
(観客は…)
「生きていく中で避けて通れないものなので、一緒に老いを考えていきたい」
「生きる勇気や元気をもらっている。今回も」
あなたは、どう生きてどう老いていきますか?おかじいの魂が問いかけます。
看板俳優は95歳の男性、老いや死、認知症といった高齢化が進むなかで避けて通れない命題を、この男性を通して考えます。
11月27日
(演技の様子)
「20年ぶりに岡山に帰ってきました」
「あの時のしんちゃんか」
![95歳おかじい01](/cgi-image/15559/15559_HRrLOdUtFOMJQWAEyriVzgbxbWgQaXphWaOKTwUOrkujqyGCuw.jpg)
岡田さんは、老いや死、認知症などをテーマに演劇をする劇団、「OiBokkeShi(おいぼっけし)」の役者で、「おかじい」と呼ばれています。
![95歳おかじい02](/cgi-image/15560/15560_oLKtdKmecAeHIgkjkwPXvQgswmyHHuEbKLRnDdaesKkEUKLfgH.jpg)
![95歳おかじい03](/cgi-image/15561/15561_VCqVDIcAocUyadWWbkjqTPDXOqpVdQCjYMYjqqQtESyeDJeXpK.jpg)
![95歳おかじい04](/cgi-image/15562/15562_yKVkVffOiHnVHQABLzxRrOVMoImkpsvlqTYpOaJsElzPbflTVp.jpg)
「言いたくないけど…うちのばあちゃん、今でいう認知症」
岡田さんは、8年前、劇団を主宰する菅原直樹さんに出会い、夢だった役者の道に足を踏み入れました。
![95歳おかじい05](/cgi-image/15563/15563_YDBScSalsFyumQAOsEpUeNqHhyEEvCiLcstHosRGhuVYiJRkJA.jpg)
![95歳おかじい07](/cgi-image/15564/15564_zeIneVOXqwOvcHdOCbDWbDwdCBnVsAbRssLetCRBkcqxrYhzxn.jpg)
(岡田忠雄さん 95)
「(妻・郁子さんはどんな様子?)ずばり言いましょう。あしたの命は分からない。それを考えていたら舞台に立てないから。忘れてしまわないといけないけど頭から離れない」
![95歳おかじい09](/cgi-image/15566/15566_TDaLgDVqmhyHfHBVuozzweThRuoTNOWxNcwBjsfmzblxwlnOXn.jpg)
![95歳おかじい10](/cgi-image/15567/15567_EIQDoLOJVvxwFmSyXiLVPrFYLXEOLbITaCmtQvcNCcuvnprvQm.jpg)
「岡田さんと僕が出会って生み出された物語。今回市民と表町商店街で作ることになって、物語がより開かれて、いくつもの物語を含んだ大きな作品になった」
![95歳おかじい10-2](/cgi-image/15568/15568_GgmWLXNnGXGUbmSGrjRvhDKWAuasKCmpHVNSAotoBVEDWzAYrv.jpg)
一般の人たちとの共演は、おかじいにとって初めての経験です。
(初顔合わせ)
(岡田忠雄さん 95)
「芸名はおかじいと言います。よろしくお願いいたします」
![95歳おかじい12](/cgi-image/15570/15570_nYmdzTDJNyEglJexYayoGfKJnQzqvMRvBmoTtMaInNBSFFiwBJ.jpg)
【商店街の店も舞台に】
![95歳おかじい13-2](/cgi-image/15572/15572_IPxGAbFyMDxYrJkjotwEoKrogIuVTsAXJMdHEOhHxaGfsFFwxC.jpg)
「岡田さんがこういう時どうするか、芝居の参考にしたい」
「スルメを買いに行く時何と言いますか?」
「スルメはないの?それだけ」
「分かりました」
「ありがとうございます」
「おかじいは今回一番難しい」
![95歳おかじい14](/cgi-image/15573/15573_qecVDKEKoOstYMNDRMNrrsbckGixhNyyeqvSBpOQxVEbBTcTVJ.jpg)
【いよいよ公演】
(岡田忠雄さん 95)
「楽しく頑張りましょうというより、僕は楽しくが好き。楽しく皆さん、がん…楽しくやりましょう」
「えいえいおー」
![95歳おかじい16](/cgi-image/15574/15574_muissWjbmUdjQvfKOjOgTXJVJczCObtKVeArVLWeUyfnozHMJW.jpg)
![95歳おかじい17](/cgi-image/15575/15575_mIAVuVPJIarsXEPeMMwfeHFwFgFWWGhbYqAFyDSRbVbOTVOWfY.jpg)
![95歳おかじい18](/cgi-image/15576/15576_xsFUsROeLvEeCcCwNMTcyqQMCASosnRNrUSkRxhQhlQKCHHigI.jpg)
(演技の様子)
「ばあちゃん去年亡くなっておらんのよ」
![95歳おかじい20-1](/cgi-image/15577/15577_VShnNigrvkhPJIiBFxfBSusyzOuRfVrExwnotBYnTGHDkokXXB.jpg)
「じゃあじいちゃん…」
「それから商店街歩き回って、ありもせんことしゃべって」
「1人暮らしは限界かもな」
「ごめん じいちゃん」
「ばあちゃん探したけど見つからなかった」
![95歳おかじい20-2](/cgi-image/15578/15578_fzEVleHumWjsnMeucDEFWSqImITKVsxaYyQXSUHMzXstPUEqXG.jpg)
(岡田忠雄さん 95)
「ばあさん家におった!」
「ばあさんおった?」
(プリンを食べながら主人公と話すシーン)
「おいしい!ばあさんに食べさせたい…」
(岡田忠雄さん 95)
「はっと思うのは、女房に食べさせられないのに、自分だけ食べてはいけないと」
![95歳おかじい24](/cgi-image/15581/15581_VcbKAvtXxMyInOLcNvjMltkImJPNwMDYfozuiCWuJryDDHamoW.jpg)
「おらなかったら寂しいんよ、寂しいんよ」
![95歳おかじい24-2](/cgi-image/15587/15587_JPXimCSPRuswYjJjmjLonyydiqDduCSqKTQJrpHrAEBFjlwtXT.jpg)
「生きていく中で避けて通れないものなので、一緒に老いを考えていきたい」
![95歳おかじい26](/cgi-image/15585/15585_BBBHEGSatobclxTouoamXNmRzvcxXipAJjbeOCmWJRDhzVlzpE.jpg)
あなたは、どう生きてどう老いていきますか?おかじいの魂が問いかけます。
![95歳おかじい27](/cgi-image/15586/15586_wIhbrpNAfOxEfQHQROESyfTPvSpeArjOFiNXwgKueNKwrxaTKg.jpg)