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2022.07.05

300人以上が豪雨で一時孤立 地域の医療を支え続ける中核病院 復興への道のり【岡山・倉敷市】

西日本豪雨で300人以上が孤立し、豪雨被害の象徴的な場所となった倉敷市真備町のまび記念病院。町の住民に寄り添い、豪雨の教訓を伝える病院の今を追いました。

(まび記念病院 村上和春理事長)
「患者さんの数であるとか外来患者・入院患者すべて水害前の状態に戻っている。まび記念病院はよくここまで復興したと思う」

地域医療を支える町の中核病院 まび記念病院です。4年前、3メートルを超える高さまで茶色く濁った水が押し寄せました。

2018年7月、豪雨で約700メートル離れた小田川の堤防が決壊し、病院は浸水。職員や入院患者など335人が一時、孤立状態となり、病院内は、1階の診療室のほか、多くの医療機器が水没しました。

(2018年9月 まび記念病院 村上和春理事長)
「病院が復興しないと町は復興しない。特に地方においてはそうだと思う。そのつもりで私たちも やっていかないといけない」

1階の復旧工事を終え、被災から約7カ月後の2019年2月には全ての病院業務を再開しました。

(先月21日 グループホームまきびの丘:倉敷市真備町)
(まび記念病院 村上和春理事長)
「食事とかちゃんと食べとるか?」

(患者)「食べています」

(まび記念病院 村上和春理事長)
「食事はおいしいかな?」

(患者)「おいしいです」

(まび記念病院 村上和春理事長)
「おいしいと思えることが大事」

豪雨の前は行っていなかったまび記念病院の新しい取り組み。それは、町の施設や住宅で暮らす約50人への訪問診療です。

(まび記念病院 村上和春理事長)
「トータルで地域の人をケアしていくことが大事。水害を経て地域の人と 共通の気持ちを持ったということ。まび記念病院として地域の 中核病院でないといけないということ。
地域の人のためにできることをやっていく」

水害を後世に伝える取り組みも進めています。7月4日まで町内で開かれていた水害伝承の展示会では病院の被災から復興までの道のりを伝える写真を展示しました。

(まび記念病院 村上和春理事長)
「甚大な水害の被害から立ち直って 現在のまび記念病院がある。真備町に住んでいて 被害にあった人も一緒。復興途上の人もいると思うけど 頑張ってほしいという気持ち」

4年前、豪雨被害の象徴的な場所となったまび記念病院。医療で住民たちに寄り添う思いを胸にこれからも地域を支えます。

(まび記念病院 村上和春理事長)
「今後も豪雨災害は全国各地で起こるのではないかと思う。その時に医療機関がどういう風に立ち向かっていくかということを我々は十分ではなかったかもしれないが ある程度示すことができたのではないか。地域のための新しい医療機能を持たせていくということを考えてこれから先もっともっと進めていかないと いけないことはたくさんある」