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コロナ禍でフライトが10分の1に…2人の客室乗務員が“地方への出向”を志願した理由は?(2)【岡山】

2022.09.02

コロナ禍でフライトが10分の1に…2人の客室乗務員が“地方への出向”を志願した理由は?(2)【岡山】


客室乗務員ならではの発想で“県庁に新風“ JALから出向の下田美紀さん・高田美津子さん(1)【岡山】から続く

長年、世界をフライトしてきた客室乗務員(CA)が、新型コロナウイルスの爆発的な流行で働く場を失い、全く畑の違う地方自治体へ。下田美紀さんと高田美津子さんは、“自ら志願”して岡山県庁への出向を決めたといいます。

コロナでフライトが激減

(下田美紀さん)
「月に80~90時間フライトしていたのが、7時間になった事があって」

倉敷市出身で2012年に日本航空(JAL)に入社した下田美紀さん(36)は、客室乗務員として世界中をフライトしていましたが、コロナ禍で生活が激変しました。

(下田美紀さん)
「会社からiPadを支給され、テレワークになった。内容は『JALの他部署の仕事を知ろう』とか・・・色々な勉強。最初の頃は『空いた時間で英語や中国語を学ぼう!』とモチベーションを保っていたが、1年近く続くと『本当にこれでいいのかな』と。もっと自分が知らない世界を勉強したいと思い始めた時、ちょうど出向の話があった」

下田さんは、社内で募集があった“岡山県庁への出向”に応募。新型コロナの流行開始から約1年経った2021年4月、社会人になってはじめて故郷で、そして地上での勤務が始まりました。

メールの送り方もわからず
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志望動機に「フルーツが大好きなので、桃やブドウのPRに携わっていきたい」と書いた下田さんは、岡山県農林水産部の“対外戦略推進室”に配属されました。しかし、生まれて初めてのデスクワークで…

(下田美紀さん)
「最初の頃はメールの(書き方の)ルールも全くわからなかった。CA時代は社外の人とメールをすることがなかったので…。皆さんに教えてもらい、場数を踏んで慣れていった」

「これを逃したらないチャンス」

一方、下田さんの1期後輩、高田美津子さん(31)は、大阪府出身。同じく“岡山県庁への出向”に応募しました。初めての土地に行くことを決めた理由とは?
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(高田美津子さん)
「夫が4年前から岡山県内で働いていた。コロナでフライトが減り、リフレッシュ休暇を取って岡山に来ていた。そんな時、『岡山県庁で働ける』と聞いて。1回も地上の間接部門にいたことがなかったし、すごくいいチャンスだと、これを逃したら無いかもしれないと思って」

ここは自分を成長させる期間だと思った高田さん。県外から来たからこそわかる岡山の良さが伝えられればと広報の仕事を希望し、2021年4月、岡山県庁の“公聴広報課”に配属されました。

(高田美津子さん)
「新鮮だったのはマイデスクがあった事。職場が飛行機なので、これまでデスクはなかった」

人間としても成長

それぞれの部署の仕事だけでなく、二人一緒にインスタグラムを使った情報発信もしています。そこでフォトコンテストを実施、受賞した作品で岡山県をPRする“空港の荷物タグ”も作りました。
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(下田美紀さん)
「県庁に来てすごいと思ったのは、『これをやりたい』と思ったら、すごく協力してくださって、後押しをしてくれる。JALに帰った時も、後輩がこれをしたいと言った時に、否定じゃなく応援してあげられるようになりたいと思った。先輩としての振る舞いを大きく学んだ」

出向は1年の任期でしたが、2人とも会社に「残りたい」と伝え、岡山県庁での2年目を迎えています。

(下田美紀さん)
「限られた期間で出来ることを精一杯やりたい」

(高田美津子さん)
「リラックスして働かせていただいているのが一番」

まだまだ岡山のために貢献

公聴広報課で県の公式SNSを担当する高田さん。「2023年2月に“晴れの国おかやま検定”があります!」とインタビュー中もPRに余念がありません。対外戦略推進室で岡山県産の果物をPRする仕事の下田さん。上司は「コロナ禍で実現できていない、海外でのPRを下田さんにぜひ」と話します。まだまだ2人は岡山に貢献するつもりです。
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・・・・・コロナ禍で多くの客室乗務員が全国各地に出向しました。そして旅客需要が戻りつつある今、空に返ってきています。新しいスキルを身に着けた客室乗務員がもてなす空の旅。これまでとは何かが違う、と感じることがあるかも、、、しれません。