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2022.11.17

真備で豪雨被災の高校生がカタールW杯へ! 日本代表の試合を観戦 そして…【岡山・倉敷市】

西日本豪雨で被災した倉敷市真備町の高校生が、カタールで開かれるFIFA・ワールドカップに招待されます。現地の若者との交流会も開かれる予定で、被災の経験を伝えようと準備を進めています。

持ち味はフィールドを一気に駆け上がるスピード。放課後、練習に励んでいるのは、関西高校サッカー部のミッドフィールダー、中山颯太君(17)です。

(W杯に招待される 中山颯太君)
「楽しみで仕方がない」

人生初めての海外渡航がワールドカップの観戦。出発を前に、胸を躍らせています。

(W杯に招待される 中山颯太君)
「まず感謝を忘れずに行くことと、せっかく行くんだから、しっかり楽しんで帰ってきたい」
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今回、中山君が参加するワールドカップへの招待プロジェクト。
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企画したのは、ちょんまげ姿がトレードマークの日本代表の名物サポーター、角田寛和さんです。

全国から寄付を募り、2014年のブラジル大会、18年のロシア大会に東日本大震災で被災した中学生を招待してきました。

きっかけは、角田さんが被災地で見た、子どもたちの姿でした。
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(日本代表サポーター 角田寛和さん)
「学校は休校になっているし、教室で遊ぼうにも布団が敷かれて、避難所になっているし、でも子供たちは、我慢していると思うが、文句も言わないで、通路などの細い所でボールを蹴っているのを見て、ここにいちゃいけない、ここから出してあげることが大事だと思った」
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今回、招待の対象に西日本豪雨と熊本豪雨の被災者が加わり、面接などによる選考の結果、倉敷市真備町から選ばれたのが、中山君です。

(中山颯太君)
「7月8日。2018年の。サッカー道具も置いていたから、スパイクとかも全部流された」
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(被災当時の空撮の様子)
「ほとんどのエリアが水につかっています。民家やあらゆる建物が茶色い水につかっています」
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ほぼ全ての住宅が全半壊した川辺地区。水が引いて避難先から戻ると、自宅は見る影もありませんでした。

その後は再建までの1年2ヵ月、総社市のみなし仮設住宅などでの暮らしが続きました。

当時は真備東中学校の1年生。学校のグラウンドは災害ごみの仮置き場となり、サッカー部の活動も一時、休止を余儀なくされました。
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(中山颯太君)
「清音だったり矢掛だったり、顧問の先生がいろんなグラウンドを借りてくれた」

あれから4年。今回のプロジェクトには日本代表の試合の観戦のほかに、もう1つ、大事な目的があります。それは、被災の経験や真備町の復興の状況を伝えること。現地の若者との交流会で英語でスピーチします。
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(父・大助さん)
「一生に一度、普通は無いと思うので、課せられたミッションをしっかりと果たしてきてほしい」
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(中山颯太君)
「被災の怖さとか、僕もこんなことになると思っていなかったから、向こうの人たちにもこんなことがあったんだよ って説明してあげたい」
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大きな期待と自覚を胸に臨むプロジェクト。中山君は11月19日、カタールに向け出発します。