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2023.02.07

“もうひとつのWBC”に岡山から5人選出 13年前の苦い思いを乗り越え…障害者野球世界大会【岡山】

2023年秋に開かれる障害者野球の世界大会に、岡山のチームから5人が出場します。その中に、13年前の苦い思いを乗り越えて代表入りした選手がいます。もうひとつのWBCにかける思いを取材しました。
野球1
胸には大きくJAPANの文字。障害者野球の世界大会、日本代表の選手たちです。
野球2
障害者野球の世界大会は、日本をはじめ、アメリカやプエルトリコ、韓国、台湾という世界5つの国と地域から障害がある選手たちが集い、野球の世界一を競います。それは、もうひとつのWBCと呼ばれています。2006年から4年ごとに開かれていますが、コロナ禍で今回は5年ぶり、2023年9月、愛知県での開催が決まっています。

岡山県の障害者野球チーム、「岡山桃太郎」からは、5人の選手とコーチ1人が選ばれ、愛媛県松山市で行われた結団式に臨みました。

「背番号3 槙原淳幹」
野球4
(岡山桃太郎 槙原淳幹主将)
「自国の象徴である日の丸を背負って、いいプレー見せたいというよりも、小学校の時から一緒で、試合出る出ないに関係なく、どこにいても日本を世界一にしたい。その向こうにどんな景色が見えるか楽しみ」

初めて日本代表に選ばれた岡山桃太郎のキャプテン、槙原淳幹さん(33)は、13年ごしの思いでWBC出場の切符を手に入れました。
野球3
13年前、当時、大学生だった槙原さんは、岡山桃太郎のエースとして活躍していました。全国制覇は夢のまた夢だったチームを、優勝を狙えるチームにまで成長させるなど貢献してきました。

2010年の世界大会では、日本代表の有力候補に挙がっていましたが…

(槙原淳幹さん(当時21))
「一塁手をしていて足をビタッとしたらブチッ」
野球5
日本代表の選考を兼ねた大会の約1カ月前、左太ももに全治3カ月のけが。代表入りは叶いませんでした。
野球6
(槙原淳幹さん(当時21))
「野球の神様が、まだ早いぞと、まだ、お前やるべきことがあるぞと伝えてくれたよう。4年後8年後には選ばれるように、前向いて、足元見て頑張りたい」

槙原さんは、スタンドから仲間の活躍を見守りました。

槙原さんは大学卒業後、津山市の中学校で教師になりました。
野球7
生徒たちに野球を教えながら、岡山桃太郎の一員として秋の全国大会は3連覇を成し遂げました。現在は、キャプテンとして高校生から80代までのメンバーをまとめています。

失意の落選から13年・・・。
野球8
ついに槙原さんは、夢舞台への切符をつかみ取りました。

(岡山桃太郎 槙原淳幹主将)
「チームが勝てばそれでいい。僕は何だってやる。それは変わらない」
野球9
(岡山桃太郎 副松正信総監督)
「(13年前は)悔しかったと思う。それを払拭して頑張ってほしい」

結団式に合わせて2泊3日で行われた松山市での合宿、桃太郎のメンバーも揃いました。

■御年80歳 岡山桃太郎総監督 副松正信さん
■2度目の世界大会 早嶋健太さん(27)
■キャッチャーとして圧倒的な信頼感 井戸千晴さん(27)
■甲子園出場経験を持つ 浅野僚也さん(27)
■強肩が武器 チーム一の器用者 高月秀明さん(24)

「2番、セカンド槙原」
練習試合ではスタメンに選ばれた槙原さん・・・。
野球10
走攻守すべてでチームを支えます。
野球11
(日本代表チーム 山内啓一郎監督)
「世界一になるためには、岡山の選手の力が必要。プレーヤーとしてもまだまだ主力でやってもらえると期待を込めた」
野球12
(岡山桃太郎 槙原淳幹さん)
「いい意味でメッセージ伝えて、野球の楽しさ、素晴らしさが日本に広がれば幸せ」

もう一つのWBCは、2023年9月、愛知県で開幕します。苦い思い出を胸に初めて世界の舞台に立つ槙原さん、目指すは、世界の頂です。