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東日本大震災で約1000人を送った納棺師 忘れられない遺族の姿 少しでも生前の姿に…【香川】

2023.03.07

東日本大震災で約1000人を送った納棺師 忘れられない遺族の姿 少しでも生前の姿に…【香川】

東日本大震災からまもなく12年です。当時、被災地に駆け付け、10日間で約1000人を送った納棺師が坂出市にいます。犠牲者の面影を復元し、遺族の悲しみに寄り添った経験を振り返り、いま思うこととは?納棺師の男性を取材しました。

宮本良平さん(45)。坂出市の坂出葬儀社に勤める納棺師です。
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宮本さんは震災発生の2日後、2011年3月13日に、被災地となった宮城県名取市に入りました。
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(坂出葬儀社 宮本良平課長)
「テレビの映像を見て大変なことが起こっていると。そうしたら(当時勤めていた納棺師の会社の)本社から、仙台営業所が大変だから助けてくれと」
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災害関連死を含め964人が亡くなった名取市。宮本さんが到着した増田体育館には、1日約100人の遺体が収容されました。

(坂出葬儀社 宮本良平課長)
「大変な状態なんです、亡くなった人の状態が。普通じゃない。人の肌の色をしていない、緑色。それを化粧で隠して」
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水につかったり、焼けたりと、多くは損傷が激しい遺体です。

ファンデーションにコンシーラー、口紅…。
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全国の葬儀社から届く支援物資を使い、10日間で約1000人に化粧を施し続けたといいます。
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宮本さんには今でも忘れられない光景があります。それは遺体安置所に家族を探しに来た遺族の姿でした。

(坂出葬儀社 宮本良平課長)
「運ばれた先では、ここ(棺の窓)を覗き込むように何人かが見ている。大事な人じゃないかと、歯形とか少しでも分かる箇所があればと。そのためにはきれいにしてあげないと」
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家族に見つけてもらうため少しでも生前の姿に近い状態に…。納棺師として使命を感じたといいます。
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(坂出葬儀社 宮本良平課長)
「大切な人に会えないというのが、どれだけすごいことか。(家族の)元に戻ったならよかった。少しでも自分の力が、役に立ったのかなと」
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坂出葬儀社では、従業員に防災士の資格取得をすすめるなど、宮本さんの経験を活かし、有事に備えた対策をとっています。
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(坂出葬儀社 宮本良平課長)
「本当に無謀なことをしたと思う。(当時は)地震もどうなるか分からない、原発もどうなるか分からない」
納棺師09「でも、周りのみんなが経験を生かしてくれることで無駄じゃなかったと今思える」
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犠牲者に礼を尽くし、遺族の思いにも寄り添った宮本さん。12年の歳月が流れても、あの日の経験はいまも生き続けています。
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