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2023.03.27

「ダブルパンチというか、トリプルパンチという状況」輸入飼料の高騰で深刻な酪農家の現状【岡山】

ウクライナ情勢などの影響で、飼料価格が高騰しています。農家の経営が圧迫されているとして、岡山県内の畜産関係者らが27日、支援を求め、県に要望書を提出しました。今後、食卓への影響も懸念される現状を取材しました。

JA岡山中央会や、おかやま酪農協同組合など6団体が県庁を訪れ、万代農林水産部長に要望書を手渡しました。要望書では、生産費の大部分である飼料価格の高騰が続き、経営が困難な状況だとして、トウモロコシなど配合飼料の支援に加え、新たに牧草なども対象にするよう求めました。

真庭市蒜山で、乳牛を中心に約200頭を飼育する長恒牧場。この牧場では、牛のエサである牧草のほとんどを輸入に頼っています。

(長恒牧場 長恒泰治さん)
「マメ科の牧草でアメリカ産、輸入物の牧草。ここ1年は確実に右肩上がりで増えている。今、現在は倍になっている」

1日1頭あたり、6キロから10キロ必要だという牧草。ウクライナ情勢に加え、円安、さらに中国の需要増加もあり、仕入れ値は上がり続けています。しかし現在、牧草などに対する国の補助はありません。

(長恒牧場 長恒泰治さん)
「ダブルパンチというか、トリプルパンチという状況。この状態でいくと、続けられる農家が何戸になるのかという状況」

酪農協会の会長も務める長恒さん。最近は経営を諦める人も増えてきているといい、危機感を感じています。

(長恒牧場 長恒泰治さん)
「消費者のみなさんにしっかり消費してもらえれば、多くの酪農家が生産を続けられる」

要望を受けた岡山県は、国と連動した支援策を検討したいとしています。