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2023.04.04

被災した“写真”をきれいに…約40万枚を洗浄 西日本豪雨被災地のボランティア団体【岡山・倉敷市】

西日本豪雨から2023年で5年。「ふるさと明日へ」と題して、倉敷市真備町の今をシリーズでお伝えしています。今回は、被災した写真を洗浄するボランティア団体。活動を通じてまちの変化を見続けてきました。

変色してしまったサクラの写真。何気ない日常の風景を映したものも、持ち主にとっては大切な1枚です。真備町を拠点に活動するボランティア団体「あらいぐま岡山」は、水や泥で傷んだ写真などをきれいにして持ち主の元に返す取り組みを、災害直後から続けています。

(洗浄の様子)
「さーっと、全部はなるべくつけないように。写真をきれいにしたい、という思いは形に出る。写真を見ながら洗っていく」

この日集まったのは6人。町内だけでなく県外からの参加者もいます。

(真備町で被災した参加者)
「仲間に会いに来ているという感覚」

(名古屋からの参加者)
「アルバムを見ていると、成長の過程やその家の歴史が詰まっている。それを見させてもらえるのは自分にとって大きい」

まちに明かりが戻り始めた頃からは、家を1軒ずつ回って写真を預かる活動も始め、これまで約40万枚を洗浄してきました。

(真備町写真洗浄@あらいぐま岡山 福井圭一さん)
「ここまでの人が町に戻ってくるとは思わなかった、壊れた状態の町を見ていた時は。元の生活ではないが、“次の生活”に戻ったという感じ」

進む復興。洗浄の依頼も徐々に減ってきているといいます。

(真備町写真洗浄@あらいぐま岡山 福井圭一さん)
「やることがなくなってきているのは良いことだと思っている。リフォームや改修されたところは水害があったということが、一見分からなくなっている。どこかに残っているとしたら、写真に一番残っている。写真に災害の跡が刻まれているので、できればずっととっておいて、つないでもらいたい」

写真が伝える災害の記憶を次の災害への備えに。そんな願いを込めながら、あらいぐま岡山は依頼がある限り、写真の洗浄を受け付けます。