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2023.04.07

「寂しいからまた話し相手に来てよ」被災者を孤立から救う“支え合いセンター”【ふるさと明日へ 岡山】

西日本豪雨の被災地、倉敷市真備町についてシリーズでお伝えする「ふるさと明日へ」。最終回は、被災者の心の復興に向け寄り添い続ける取り組みです。

「倉庫の片づけを手伝ってほしい」「気持ちが落ち込んでしんどくなる」「寂しいからまた話し相手に来てよ」

・・・西日本豪雨の被災者から、倉敷市真備支え合いセンターに寄せられた声です。

センターは、被災者の孤立を防ごうと豪雨から3カ月後の2018年10月に設立、市の委託を受けた社会福祉協議会が運営しています。以来、仮設住宅など約5700の被災世帯を訪問し、見守りや生活の相談に応じてきました。

(倉敷市真備支え合いセンター 佐賀雅宏センター長)
「真備は住民同士のつながりが盛んなところ。この災害をきっかけに、人とのつながりや交流の大切さをよく耳にする」

豪雨から5年、仮設住宅はすべて撤去されましたが、2023年4月現在も、みなし仮設住宅で暮らす被災者もいて、約40世帯に対し訪問を続けています。

(倉敷市真備支え合いセンター 佐賀雅宏センター長)
「当初は生活での困り事を把握していくということもあったが、それだけでなくいろいろな不安があるので、少しでも寄り添えるように」

支援のニーズも、住宅再建に向けた不安の解消から、コミュニティーや人間関係の希薄化などの寄り添うものに変わってきたといいます。

(倉敷市真備支え合いセンター 佐賀雅宏センター長)
「同じ住民として、良き友人のような形で、何か話をしてもらう、話を聞かせてもらうことを通じて、信頼関係をつくっていかないといけない。真備を離れた人もいて、そういう人が孤立しないように」

こうした思いから始めたのが、被災者に“絵手紙”を送る取り組みです。真備を離れて生活している被災者など、つながりを感じるきっかけになればと、被災したすべての世帯に送り続けています。

(倉敷市真備支え合いセンター 佐賀雅宏センター長)
「災害に強い地域は、日頃から住みやすい地域。地域と住民同士のつながりによって、住みやすい地域を作っていく、広げていくのが僕たちの役割」

地域の絆、そして暮らす人たちのつながりが戻るまで。支え合いの取り組みは続きます。