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2023.06.16

進捗率は8割 西日本豪雨で堤防決壊の小田川 合流点付け替え工事の現場は今【岡山】

西日本豪雨から2023年7月で5年を迎えます。

国は治水対策として、2024年3月末の完成に向け、堤防が決壊した小田川の合流点を付け替える事業を行っていて、6月16日現地説明会が開かれました。

小田川合流点付替え事業は、国が治水対策として約474憶円をかけて行っているものです。

(岸下恵介アナウンサー)
「事業に伴って新しい川ができる場所です。かつては大きな山があったんですが、徐々に川の形が見え始めてきました」

主要な工事の一つが、2020年1月に本格的に始まった南山の掘削です。標高67メートルの山の一部を削り取り、堤防を整備して新たな川の通り道を作ります。

(岸下恵介アナウンサー)
「南山の掘削工事の現場周辺では、かつてはあちらの道路が使われていたんですが、6月21日からは新しくこちらの道路が使われるようになります」

説明会では、6月21日の新しい道路の供用開始に伴い、南山の掘削工事を終えることが報告されました。

2018年7月の西日本豪雨では、小田川と高梁川が合流する際、水がせき止められて水位が上昇するバックウォーター現象が原因とみられ、堤防が決壊。倉敷市真備町の約3割が茶色く濁った水に覆われ、家屋などの浸水被害につながりました。

この事業では、小田川と高梁川の合流点を約4.6キロ下流に付け替え、川の水位を下げて、流れをスムーズにし、安全度を上げる目的です。事業が完成すると、西日本豪雨クラスの洪水でも、川の水を安全に流すことができるようになります。

(国土交通省中国地方整備局高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所 濱田靖彦所長)
「大きな1つの節目を迎えられた。今後も遅れが無いようにしっかり現場と連携しながら工事を進めていきたい」

事業全体の進捗率は現在81%と、2024年3月末の完成を予定しています。西日本豪雨からまもなく5年。治水対策は大きな山場を越えたと言えそうです。