かつて全国５位の産地だった岡山県の生産農家はわずか２軒にまで減りました。岡山県久米南町で葉タバコの収穫が最盛期を迎えています。伝統的な作物を守り続ける農家を取材しました。

一面に広がる葉タバコ。久米南町、杉本健さん（４３）の畑です。杉本さんの家族は７０年前から３代にわたり葉タバコの栽培を続けていて、収穫の最盛期を迎えています。

全国たばこ耕作組合中央会によりますと岡山県は１９６６年には約１万６９００軒の生産農家があり、全国５位の産地で、この地区でもほとんどの農家がタバコの栽培を手掛けていたといいます。

（杉本博さん（８１））
「一時は多かった、２０軒中１５軒くらいは葉タバコを生産していた。１年に１人ずつほど増えていた。辞める時もそういうスピードだった」

しかしタバコを吸う人が減り、生産者の高齢化もあり、現在、県内の生産農家は２軒を残すのみとなっています。

杉本さんは家族３人で葉タバコの栽培を続けていて、専用の機械に乗りながら長さが６０センチほどある大きな葉を摘み取っていました。

（葉タバコを栽培する　杉本健さん）
「梅雨入りが早かったということはあるが、今年の作柄は今のところ順調。近年にないくらい」

収穫作業は９月上旬まで続き、２・５トン収穫を見込んでいます。収穫した葉は乾燥などの工程を経て熊本県にある日本たばこ産業の工場に出荷されます。