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2023.06.28

「前を見て」西日本豪雨から復興する真備町に書道で元気を 99歳の被災女性からのメッセージ【岡山】

西日本豪雨から2023年7月で5年。岡山・香川が放送エリアの民放5社とNHK岡山放送局は、「あの日とツナグ、未来へツナグ」をテーマにキャンペーンを行っています。

6月27日にお伝えするのは西日本豪雨の被害を乗り越え2023年に99歳、白寿を迎えた倉敷市真備町の女性。今も、得意の書道を続けて、復興する街を見守っています。豪雨から5年、人生の大先輩から私たちに贈られたメッセージとは…。
加藤久子さん05
大きく力強い文字…。書いているのは倉敷市真備町の加藤久子さんです。
加藤久子さん01
(加藤久子さん)
(Q:おいくつになられた?)「4月で99歳です」
加藤久子さん02
(Q、本当ですか?)「間違いないです。数えの100歳」

この春、白寿を迎え、書道でつながる仲間たちが加藤さんを囲んで祝ってくれます。
加藤久子さん03さらに5月には、ひ孫に赤ちゃんが誕生。99歳でやしゃごを抱くことができました。
加藤久子さん04
小学校の教師だった加藤さんは、退職後、子供たちに書道を教えていました。今は、シルバー人材センターなどから頼まれる、看板の文字や宛名書きの仕事を続けています。
 
5年前、加藤さんが孫たちと暮らす自宅は水につかりました。
加藤久子さん06
(加藤久子さん)
「孫とひ孫が早く出ようと言ってくれたから、水が来る前に出られた。本当に何にもなくなった、本当にこの筆が1本だけ」
加藤久子さん07
家の外に積まれた泥だらけの荷物…その中から、1本の筆を持ち出しました。
加藤久子さん08
(加藤久子さん)
「泥だらけで、ばい菌があるから持って帰ったらいけないと言われたが、どうしてもと、隠して内緒で持ち帰った、その筆があったから、書いてくれと言われた時に書けた」

被災後、依頼を受けたのは町の復興を応援する看板の文字でした。
加藤久子さん09
(2020年の加藤久子さん)
「頑張ろうというのは、体もそうだが、気持ちを頑張ろうというのが大事。みんな元気を出して、一人一人が苦労はあるだろうが頑張ってほしい」
加藤久子さん10
西日本豪雨からもうすぐ5年。この日の依頼は、シルバー人材センターなどに飾られる文字。オーダーは、「生涯現役 人生100年」でしたが…、

(加藤久子さん)
「100年は考えてみたら短かった。130年いうとうれしい!(150年でもええよ)130年と書くん?(笑)新しい目標ができた」
 
「生涯現役 人生130年」に修正されました。加藤さんは、新たな目標を掲げてきょうもこの筆を持ちます。

(加藤久子さん)
「心があったら何とかなる、あの時のことを考えたら、みんなそれぞれ心があるから体も動く。前を見て」
加藤久子さん12
「前を見て」。災害を乗り越えた人生の大先輩からのメッセージは、力強い復興の後押しです。
加藤久子さん13