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2023.07.11

「ほとんどの人が完食していてうれしい」豪雨被害乗り越えた養殖場のアユが学校給食に【岡山・倉敷市】

地元の味を子供たちに知ってもらおうという取り組みです。西日本豪雨の浸水被害を乗り越えた養殖場で育ったアユが7月11日、倉敷市の中学校の給食で提供されました。

献立の中で一際存在感を放つ、アユの塩焼き。この給食は、これから旬を迎える岡山県内の魚に関心を持ってもらおうと県が企画したもので、倉敷市の多津美中学校の全校生徒にアユが提供されました。

(生徒は…)
「初めて。すごくご飯に合っておいしい」

(アユを養殖した高梁川栽培漁業研究所 小西富美夫所長)
「きょうはすごくうれしい。(西日本豪雨で)一旦終わったなと思った。そのまま終わらせたらもったいない、まだまだ力が残っているという思いでここまでやってこられた」

総社市下原にある高梁川栽培漁業研究所。西日本豪雨では、浸水とアルミ工場の爆発による二重の被害を受けました。当時、養殖していた15万匹のアユは全て流出しました。

(高梁川栽培漁業研究所・小西富美夫所長)
「スタッフ全員で頑張ってなるべく早く元の状態にして皆さんに喜んでもらえる魚ができるようにする」

豪雨から3年で通常の生産能力に戻り、今では年間250万匹、養殖できるようになりました。倉敷市の中学校でアユを提供するのは初めて。小西所長も生徒たちと一緒に給食を楽しみました。

(生徒は…)
「(骨が)柔らかい。身も柔らかくておいしい。岡山でおいしいアユが取れるから岡山県民として良い」
「2匹目。おいしい。スーパーで見かけたら買って食べたい」

(高梁川栽培漁業研究所・小西富美夫所長)
「ここまで歓迎されていると思わなかった、今までは。きょうはほとんどの人が完食。大変うれしい。漁協組合の使命として次の世代につなげて続けていきたい」

西日本豪雨から5年。守り続けた地元の味とその思いは生徒たちにしっかりと届いたようです。