2023.08.02
あっという間に流される「川遊びの危険」 死亡事故の発生現場で検証【急上昇ニュース 岡山】
今話題のニュースやネットで関心を集めたニュースを詳しく解説する「急上昇ニュース」。配信担当の堀さんです。
今回のテーマは「川遊びの危険」です。夏休みに入り、キャンプや帰省先で、川に入る機会があるかもしれません。しかし自然のままの川には、管理されたプールや海水浴場とは違った危険があります。今回、実際に死亡事故が起きた現場で、川に潜む危険を検証しました。 7月20日、新見市の高梁川で、川に飛び込んで遊んでいた21歳の男子大学生の行方がわからなくなりました。大学生は川底で発見されましたが、その後死亡が確認されました。
「事故のあった高梁川に来ています。川岸の近くは浅くて、底のゴツゴツした岩も見ることができます。少し真ん中に行くと一気に色が変わって深緑になり、深くなっていることが伺えます。亡くなった大学生は川の真ん中、水深約6mの川底で見つかりました」
川幅は約50メートル、水深は当時約6メートルあり、大学生は3人のグループで遊んでいました。 (近所の人は…)
「あの大きな岩があるでしょう。岩の飛び出た所。あそこから飛び込んで、最初は大丈夫だったけど、川の真ん中あたりまで来たら、おぼれた。友達が潜ったけど、深くてダメだった」 新見市消防署の林望署長に、現場周辺を説明してもらいました。川には、ポイントごとに違った危険が潜んでいます。
(新見市消防署 林望署長) 「流れ込みの水流が速い所は、川底が掘られて急に深くなっている可能性がある」 「波が立つ所の頭には、岩がある。固定されていると考えないで。乗っただけで岩が動くこともある」 「流れが緩やかになっている部分は渦を巻いていて、岸の方に泳ごうとしても、押し戻される流れがある」
流れが速ければあっという間に下流や川底に流されることも。また、水温は…
(新見市消防署 林望署長)
「水深2mで急激に水温が下がり、足がつったり、体力の消耗が激しくなることも十分考えられる。本当に自然の中に、入って行くのが川に入ること」
川は、プールや海水浴場のように管理された場所ではありません。
今回、比較的流れの穏やかな場所に案内してもらい、ライフジャケットをつけて中の状況を確認しました。川の環境は一言でいえば不規則です。 「やっぱり夏でも冷たいですね。3~4mくらいしか入っていませんが、一気に深くなりました。川底は岩でゴツゴツして、安定していないです。水温は生ぬるい所もあれば冷たくなる所もあります」
流れの速い川の中央付近に行くと、状況は一変。
「すごく冷たい。全然違います。凍えるような冷たさになってきました。流れの速い所は冷たい」
ライフジャケットをつけていなければ、こうした急激な変化に動揺し、混乱するかもしれないと感じました。また川では、ダムの放水により急激に水かさが増すこともあります。
(新見市消防署 林望署長)
「十分な備えを。ライフジャケットを着るなど、おぼれないことを一番に考え準備し楽しんでほしい」
「新見市消防本部の皆さんにご協力いただいて、川遊びでどんな準備が必要か、万が一の時の対応を教えていただきます。よろしくお願いします」
用意されたのは、長い竹の棒や、ロープ、ペットボトルなどです。 (新見市消防署大佐分署 日傳逸平主任)
「近くにあるものを何でも使って。川の中に入るのは危ないので、岸から救出できる方法、長い木を使ったり、ロープを投げる、ペットボトルを投げる等で救出するのが一番」 ペットボトルは少し水を入れると投げやすくなります。ペットボトルにつかまると少し余裕ができます。 長い竹の棒は、つかまれるように岸から差し出します。 救助を待つ人は慌てず、背泳ぎのような形で流れに身を任せるディフェンシブスイミングが有効です。体力を温存し、助けを待ちます。
美しい自然に触れることができる場所が多くあるのは、岡山の誇りです。しかし、美しい自然も接し方を誤れば牙をむくことを私たちは肝に銘じなければいけません。
川の事故は、「瞬間的に発生し、すぐに致命的な状況になる」といわれています。周りの人が気づいて助けようとしても間に合わない可能性もあります。ライフジャケットは数千円程度のものからあります。十分な備えをして、夏のレジャーを楽しみましょう。
今回のテーマは「川遊びの危険」です。夏休みに入り、キャンプや帰省先で、川に入る機会があるかもしれません。しかし自然のままの川には、管理されたプールや海水浴場とは違った危険があります。今回、実際に死亡事故が起きた現場で、川に潜む危険を検証しました。 7月20日、新見市の高梁川で、川に飛び込んで遊んでいた21歳の男子大学生の行方がわからなくなりました。大学生は川底で発見されましたが、その後死亡が確認されました。
「事故のあった高梁川に来ています。川岸の近くは浅くて、底のゴツゴツした岩も見ることができます。少し真ん中に行くと一気に色が変わって深緑になり、深くなっていることが伺えます。亡くなった大学生は川の真ん中、水深約6mの川底で見つかりました」
川幅は約50メートル、水深は当時約6メートルあり、大学生は3人のグループで遊んでいました。 (近所の人は…)
「あの大きな岩があるでしょう。岩の飛び出た所。あそこから飛び込んで、最初は大丈夫だったけど、川の真ん中あたりまで来たら、おぼれた。友達が潜ったけど、深くてダメだった」 新見市消防署の林望署長に、現場周辺を説明してもらいました。川には、ポイントごとに違った危険が潜んでいます。
(新見市消防署 林望署長) 「流れ込みの水流が速い所は、川底が掘られて急に深くなっている可能性がある」 「波が立つ所の頭には、岩がある。固定されていると考えないで。乗っただけで岩が動くこともある」 「流れが緩やかになっている部分は渦を巻いていて、岸の方に泳ごうとしても、押し戻される流れがある」
流れが速ければあっという間に下流や川底に流されることも。また、水温は…
(新見市消防署 林望署長)
「水深2mで急激に水温が下がり、足がつったり、体力の消耗が激しくなることも十分考えられる。本当に自然の中に、入って行くのが川に入ること」
川は、プールや海水浴場のように管理された場所ではありません。
今回、比較的流れの穏やかな場所に案内してもらい、ライフジャケットをつけて中の状況を確認しました。川の環境は一言でいえば不規則です。 「やっぱり夏でも冷たいですね。3~4mくらいしか入っていませんが、一気に深くなりました。川底は岩でゴツゴツして、安定していないです。水温は生ぬるい所もあれば冷たくなる所もあります」
流れの速い川の中央付近に行くと、状況は一変。
「すごく冷たい。全然違います。凍えるような冷たさになってきました。流れの速い所は冷たい」
ライフジャケットをつけていなければ、こうした急激な変化に動揺し、混乱するかもしれないと感じました。また川では、ダムの放水により急激に水かさが増すこともあります。
(新見市消防署 林望署長)
「十分な備えを。ライフジャケットを着るなど、おぼれないことを一番に考え準備し楽しんでほしい」
「新見市消防本部の皆さんにご協力いただいて、川遊びでどんな準備が必要か、万が一の時の対応を教えていただきます。よろしくお願いします」
用意されたのは、長い竹の棒や、ロープ、ペットボトルなどです。 (新見市消防署大佐分署 日傳逸平主任)
「近くにあるものを何でも使って。川の中に入るのは危ないので、岸から救出できる方法、長い木を使ったり、ロープを投げる、ペットボトルを投げる等で救出するのが一番」 ペットボトルは少し水を入れると投げやすくなります。ペットボトルにつかまると少し余裕ができます。 長い竹の棒は、つかまれるように岸から差し出します。 救助を待つ人は慌てず、背泳ぎのような形で流れに身を任せるディフェンシブスイミングが有効です。体力を温存し、助けを待ちます。
美しい自然に触れることができる場所が多くあるのは、岡山の誇りです。しかし、美しい自然も接し方を誤れば牙をむくことを私たちは肝に銘じなければいけません。
川の事故は、「瞬間的に発生し、すぐに致命的な状況になる」といわれています。周りの人が気づいて助けようとしても間に合わない可能性もあります。ライフジャケットは数千円程度のものからあります。十分な備えをして、夏のレジャーを楽しみましょう。