2023.08.11
ハンディキャップアーティストと社会を“彩り”で架ける橋「レンタルアート」【手話が語る福祉 岡山】
手話が語る福祉のコーナーです。障害や難病を抱える人の個性を生かしたアートを貸出する事業「レンタルアート」がいま広がりを見せています。いわゆるハンディキャップアーティストの自立につながる事業として注目されています。
岡山市にある自動車販売店です。
一方、老舗和菓子店では商品を描いた色鮮やかな絵が飾られています。
(シキシマドウノカフェ 藤原智子副店長)
「「わらピ」という商品を描いた絵は実際に商品を持って写真撮影する人も、写真映えとして楽しんでもらえている」
(客は…)
「いろいろな色で楽しい気持ちになる」
「独特な雰囲気で色使いもすごい、口元が印象的」 (生本ひなの記者)
「これらの作品は障害があるアーティストが手掛けたもので、「レンタルアート」と言って有料で貸し出されているものです」
岡山市北区の就労継続支援A型事業所「ありがとうファーム」。障害や難病を抱える人が働いていて、レンタルアートの事業を2016年から始めました。 ここで働くアーティストの一人、カナピさん(20)。自閉症を抱えながら、幼いころから得意だった絵を生かして2023年からレンタルアートの作品を手掛けています。
(ありがとうファーム カナピさん)
「ただ自分が好きで描いているだけだから、人に評価されると思っていなかったけど、褒めてもらえるとちょっとうれしいから、頑張ろうと思いながら描いている」
レンタルアートは企業と年間で契約し、作品を自由に交換することができる、いわゆる「サブスク」の事業です。 契約料の7割が制作したアーティストの給料に充てられる仕組みで、一定の収入が継続的に得られるため、事業所も事業に手ごたえを感じています。 (ありがとうファーム アートディレクター 深谷千草さん)
「当初は売ることも考えたが、売ってしまうとそこで作品は消えてしまうし、収入もストップしてしまうという課題があった。継続して自立をしていくためにはどうすればいいかと考えたときに、レンタルしてもらい継続的に収入を得て、そして自立するということを考えた」 契約数は年々増加し、現在は約50社、100以上の作品がレンタルされていて、人気のアーティストにはボーナスも。一般の企業の業務に困難を抱える人でも、個性や技術を生かすことで収入につなげることができます。
(ありがとうファーム カナピさん)
「自分で貯金もできるし、将来につながることもできる。次も頑張ろうと自信にもつながる」 今回、カナピさんへ新しい作品づくりの依頼がありました。玉野市の海沿いにあるホテルで展示される絵で「瀬戸内」や「旅」などをテーマに6作品を仕上げます。
(アーティスト カナピさん)
「波を描きます・・・」
下書きせず、思いのままマーカーペンを走らせるカナピさん。 (ありがとうファーム カナピさん)
「海の生き物が好きでよく描くので描いてみた」
「マナティー」 「エビ」 「ウツボ…」 これはホテルに行くまでに見た橋。電車が下に通っている。景色がきれいだったので描いた」 (■ホテルへあいさつ)
「よろしくお願いします」
納品の時は必ず絵を描いた本人が作品を届けます。アーティストと社会との関係性を深め、障害への理解につなげるためです。 (UNOHOTEL・渡邊竜介副支配人とカナピさんとのやりとり)
「かわいい感じですね。全部シルバーで線を描いているのにはなにか意味があったりしますか」
「青をベースに描いたので、シルバーが一番映える」 「青にしてもらえたのは、うちが青がイメージカラーだからですか」
「そうです。全部違う青なんですよ」
(UNOHOTEL 渡邊竜介副支配人)
「年に3回交換、季節に合わせてすごく楽しい作品を描いてもらっている。ハンディキャップを持ったアーティストのサポートができることはありがたい。今後も引き続きできればと思う」
カナピさんを紹介するメッセージとともに海が見えるラウンジに展示されました。
(作品(1)「ふねくん、たび中です」)
船が足を生やして旅をする絵。
(作品(2)「キラキラ笑顔とやさしい海」)
宇野のまちを描いた絵、シンボルのチヌが隠れています。 (アーティスト カナピさん)
「見る人が笑顔で、幸せでいられるようにという思いで「笑顔」「きらきら」という言葉を題名で使った。みんなが足を止めて、パッて笑顔になったら幸せな事。笑顔になってほしいと思う」 岡山のまちを彩るレンタルアート。見る人を楽しませるだけでなく、ハンディキャップアーティストと社会を結びつける架け橋にもなっています。レンタルアートの今後の広がりに期待です。
岡山市にある自動車販売店です。
パステルカラーで描かれたポップなキャラクターが店内を彩ります。
一方、老舗和菓子店では商品を描いた色鮮やかな絵が飾られています。
(シキシマドウノカフェ 藤原智子副店長)
「「わらピ」という商品を描いた絵は実際に商品を持って写真撮影する人も、写真映えとして楽しんでもらえている」
「いろいろな色で楽しい気持ちになる」
「独特な雰囲気で色使いもすごい、口元が印象的」 (生本ひなの記者)
「これらの作品は障害があるアーティストが手掛けたもので、「レンタルアート」と言って有料で貸し出されているものです」
岡山市北区の就労継続支援A型事業所「ありがとうファーム」。障害や難病を抱える人が働いていて、レンタルアートの事業を2016年から始めました。 ここで働くアーティストの一人、カナピさん(20)。自閉症を抱えながら、幼いころから得意だった絵を生かして2023年からレンタルアートの作品を手掛けています。
「ただ自分が好きで描いているだけだから、人に評価されると思っていなかったけど、褒めてもらえるとちょっとうれしいから、頑張ろうと思いながら描いている」
レンタルアートは企業と年間で契約し、作品を自由に交換することができる、いわゆる「サブスク」の事業です。 契約料の7割が制作したアーティストの給料に充てられる仕組みで、一定の収入が継続的に得られるため、事業所も事業に手ごたえを感じています。 (ありがとうファーム アートディレクター 深谷千草さん)
「当初は売ることも考えたが、売ってしまうとそこで作品は消えてしまうし、収入もストップしてしまうという課題があった。継続して自立をしていくためにはどうすればいいかと考えたときに、レンタルしてもらい継続的に収入を得て、そして自立するということを考えた」 契約数は年々増加し、現在は約50社、100以上の作品がレンタルされていて、人気のアーティストにはボーナスも。一般の企業の業務に困難を抱える人でも、個性や技術を生かすことで収入につなげることができます。
「自分で貯金もできるし、将来につながることもできる。次も頑張ろうと自信にもつながる」 今回、カナピさんへ新しい作品づくりの依頼がありました。玉野市の海沿いにあるホテルで展示される絵で「瀬戸内」や「旅」などをテーマに6作品を仕上げます。
(アーティスト カナピさん)
「波を描きます・・・」
下書きせず、思いのままマーカーペンを走らせるカナピさん。 (ありがとうファーム カナピさん)
「海の生き物が好きでよく描くので描いてみた」
「マナティー」 「エビ」 「ウツボ…」 これはホテルに行くまでに見た橋。電車が下に通っている。景色がきれいだったので描いた」 (■ホテルへあいさつ)
「よろしくお願いします」
納品の時は必ず絵を描いた本人が作品を届けます。アーティストと社会との関係性を深め、障害への理解につなげるためです。 (UNOHOTEL・渡邊竜介副支配人とカナピさんとのやりとり)
「かわいい感じですね。全部シルバーで線を描いているのにはなにか意味があったりしますか」
「青をベースに描いたので、シルバーが一番映える」 「青にしてもらえたのは、うちが青がイメージカラーだからですか」
「そうです。全部違う青なんですよ」
(UNOHOTEL 渡邊竜介副支配人)
「年に3回交換、季節に合わせてすごく楽しい作品を描いてもらっている。ハンディキャップを持ったアーティストのサポートができることはありがたい。今後も引き続きできればと思う」
(作品(1)「ふねくん、たび中です」)
船が足を生やして旅をする絵。
宇野のまちを描いた絵、シンボルのチヌが隠れています。 (アーティスト カナピさん)
「見る人が笑顔で、幸せでいられるようにという思いで「笑顔」「きらきら」という言葉を題名で使った。みんなが足を止めて、パッて笑顔になったら幸せな事。笑顔になってほしいと思う」 岡山のまちを彩るレンタルアート。見る人を楽しませるだけでなく、ハンディキャップアーティストと社会を結びつける架け橋にもなっています。レンタルアートの今後の広がりに期待です。