2023.09.27
死者・行方不明が倍増 リスクの多い“単独登山” 静かな集落にサイレンの音が…【急上昇ニュース 岡山】
今話題のニュースやネットで関心を集めたニュースを詳しく解説する急上昇ニュースです。配信担当の堀さんです。
秋を迎え、登山する人が増えるシーズンです。岡山県北では9月に遭難事故が発生しましたが、実は今、一人で山に入り、遭難する人が増えているといいます。
コロナ禍の影響で、人の密集を避け、感染リスクが低いアウトドア活動が注目されています。 一方で、山の事故は、遭難件数、遭難者数ともに2022年、過去最多を記録しました(警察庁調べ)。 遭難した人のうち、死者・行方不明者の割合は、複数登山が6%なのに対し、単独登山は14・4%(警察庁調べ)。一人で山に入り遭難すると、リスクが高くなることがわかります。
9月3日、津山市と鳥取県にまたがる三原山に一人で登っていた総社市の59歳の男性が行方不明になりました。 男性はGPSで位置を確認する“登山アプリ”を使って山に登っていました。 しかし、山頂目前でアプリの入ったスマホを落としてしまいます。そして不明から4日後、男性は登った側と逆の鳥取県山中で見つかり、その後、死亡が確認されました。 男性が見つかった場所に近い、鳥取市佐治町余戸地区に住む大野一好さん(75)に話を聞くと、ここ数年、遭難とみられる救急の出動が増えている事がわかりました。 (大野一好さん)
「いきなり救急車や救助工作車が、物静かな集落にけたたましいサイレンを鳴らして飛んでくる。そういう事例が近年何回かあった。行方不明、捜索活動というショッキングな場面に出会う」
三原山は、余戸地区の人に親しまれた山です。地元の公民館には水墨画も飾られています。 しかし、頂上のマッコウを目指す道は今、線状降水帯の影響もあって荒れ果てていました。滑落の危険を感じる崖も。そして、男性がスマホを落とした藪は、根曲竹と呼ばれる笹が生い茂り、一度入ると、出口が分からなくなりました
(大野一好さん)
「藪を漕いで体力を消耗し、疲れた状態の中で、根曲竹の藪を通り抜けた。やれやれとホッとしたが、方角もわからないので急峻な所で足を踏み外した可能性もないとは言えない」
スマホを落とした男性は山をさまよったと見られます。
(大野一好さん)
「(男性が見つかった場所は)結構険しい渓谷になります。(地元の人は?)今は行く人はいません」 山では何が起きるかわからない。まして、頼る人のいない一人歩きでは、リスクが増します。
(大野一好さん)
「一人というのは致命傷というか。自分のペースで行動できるのはいいが、いざという時になかなか…」
今回の遭難事故で捜索に当たった津山警察署は、登山ブームに理解を示しつつ、こう呼びかけます。 (津山警察署 原田洋平副署長)
「低い山、手軽に登れる山に登る方もいると思うし、登山に慣れている方もいると思う。そうしたケースでも、天候が急変したり、道に迷ったり、ケガをしたり、想定していない形で事故や遭難に巻き込まれるケースもある。自分の安全を守るための装備を用意して頂く。入山に当たっては登山届を確実に提出するように心がけてほしい」 警察は、山の最寄りの駐在所などに登山届を提出してほしいとしています。
山で遭難した人のうち、死者・行方不明者の割合は、複数登山が6%、一方、単独登山は14・4%。一人で山に入り遭難すると、リスクが高くなります。こうしたデータを把握し、気持ちのいい山歩きのシーズンを楽しんでください。
秋を迎え、登山する人が増えるシーズンです。岡山県北では9月に遭難事故が発生しましたが、実は今、一人で山に入り、遭難する人が増えているといいます。
コロナ禍の影響で、人の密集を避け、感染リスクが低いアウトドア活動が注目されています。 一方で、山の事故は、遭難件数、遭難者数ともに2022年、過去最多を記録しました(警察庁調べ)。 遭難した人のうち、死者・行方不明者の割合は、複数登山が6%なのに対し、単独登山は14・4%(警察庁調べ)。一人で山に入り遭難すると、リスクが高くなることがわかります。
9月3日、津山市と鳥取県にまたがる三原山に一人で登っていた総社市の59歳の男性が行方不明になりました。 男性はGPSで位置を確認する“登山アプリ”を使って山に登っていました。 しかし、山頂目前でアプリの入ったスマホを落としてしまいます。そして不明から4日後、男性は登った側と逆の鳥取県山中で見つかり、その後、死亡が確認されました。 男性が見つかった場所に近い、鳥取市佐治町余戸地区に住む大野一好さん(75)に話を聞くと、ここ数年、遭難とみられる救急の出動が増えている事がわかりました。 (大野一好さん)
「いきなり救急車や救助工作車が、物静かな集落にけたたましいサイレンを鳴らして飛んでくる。そういう事例が近年何回かあった。行方不明、捜索活動というショッキングな場面に出会う」
三原山は、余戸地区の人に親しまれた山です。地元の公民館には水墨画も飾られています。 しかし、頂上のマッコウを目指す道は今、線状降水帯の影響もあって荒れ果てていました。滑落の危険を感じる崖も。そして、男性がスマホを落とした藪は、根曲竹と呼ばれる笹が生い茂り、一度入ると、出口が分からなくなりました
(大野一好さん)
「藪を漕いで体力を消耗し、疲れた状態の中で、根曲竹の藪を通り抜けた。やれやれとホッとしたが、方角もわからないので急峻な所で足を踏み外した可能性もないとは言えない」
スマホを落とした男性は山をさまよったと見られます。
(大野一好さん)
「(男性が見つかった場所は)結構険しい渓谷になります。(地元の人は?)今は行く人はいません」 山では何が起きるかわからない。まして、頼る人のいない一人歩きでは、リスクが増します。
(大野一好さん)
「一人というのは致命傷というか。自分のペースで行動できるのはいいが、いざという時になかなか…」
今回の遭難事故で捜索に当たった津山警察署は、登山ブームに理解を示しつつ、こう呼びかけます。 (津山警察署 原田洋平副署長)
「低い山、手軽に登れる山に登る方もいると思うし、登山に慣れている方もいると思う。そうしたケースでも、天候が急変したり、道に迷ったり、ケガをしたり、想定していない形で事故や遭難に巻き込まれるケースもある。自分の安全を守るための装備を用意して頂く。入山に当たっては登山届を確実に提出するように心がけてほしい」 警察は、山の最寄りの駐在所などに登山届を提出してほしいとしています。
山で遭難した人のうち、死者・行方不明者の割合は、複数登山が6%、一方、単独登山は14・4%。一人で山に入り遭難すると、リスクが高くなります。こうしたデータを把握し、気持ちのいい山歩きのシーズンを楽しんでください。