2023.10.19
不登校の理由は「自分でもわからない」 過去最多更新で注目される“特例校”とは?【急上昇ニュース岡山】
ネットで関心を集めた話題などを詳しく解説する「急上昇ニュース」です。不登校の小中学生が過去最多となったことが、明らかになりました。今回はこの問題を取り上げます。担当は堀さんです。
「不登校29万人」。このキーワードが10月初め、ネットを騒がせました。 2022年度の不登校の小中学生は全国で29万9000人。前の年度から22.1%増え、過去最多となりました。全ての児童生徒に占める割合は3.2%で、30人に1人にあたります。
このうち岡山県は3668人、香川県は1841人でいずれも過去最多でした。不登校が増えている理由について岡山県の教育委員会で聞きました。 (岡山県教委 人権教育・生徒指導課 横山智康課長)
「子供に『どうして来られないの?』と聞いても、『自分でもわからない』と答える子が多い。コロナ禍では風邪症状の時、登校せず様子を見たので、欠席することのハードルが下がっている。“教育機会確保法”ができて『学校に行く事が全てではない。色んな場で多様な学びができる』という考えが社会に浸透した。教育委員会としては、学校で公教育として身につけさせたいが、その子に今何が必要か、何を求めているのか、目を向ける必要がある」 “教育機会確保法”が2017年に施行されてから、国や自治体には、学校に行かない、行けない子供たちの支援が求められています。これによってフリースクールなど義務教育以外の受け皿がぐっと広がりました。
一方、高校生の不登校は岡山県が1034人、香川県が393人で、こちらも増加傾向です。 高校の場合、通信制が不登校の受け皿の一つになっていますが、岡山県では生徒数が3年間で2倍近くに増えています。高校生12人に1人が通信制に通う時代とも言われています。
こうした中、注目されるのが、文部科学省が指定する全日制と通信制の間を取った「学びの多様化学校」、いわゆる「不登校特例校」です。高校では中四国で初めての「不登校特例校」が2024年度から、津山市の岡山県美作高校に設置されることになりました。 美作高校に設置される「Bloom(ブルーム)コース」は、中学校で不登校だった生徒に配慮した教育を行う「不登校特例校」で、初年度の募集定員は20人です。その特徴は… (岡山県美作高校 神谷大輔事務部長)
「全日制普通科であることに変わりないが、朝登校しづらい生徒もいるので始業時間が1時間遅い。年間取得単位数も減らし、普通教科を減らし、体験型の授業を多く取り入れる」
始業時間は他の生徒より1時間遅く、登校できない場合は年間授業時間数の3分の1までオンラインを認めます。学習内容は中学校までの学びなおしに重点を置きます。こうした、学習指導要領にとらわれない柔軟なカリキュラムが不登校特例校の特徴です。
また、教育相談室には相談員が常駐し、利用しやすい環境づくりに努めます。
このほか、廃校になった奥津中学校の跡地を利用し、地域の文化を調べたり、ぶどうの収穫、加工体験も盛り込まれています。不登校を経験した生徒に人や自然とのつながりを多く体験してほしいという思いからです。
2年生進級時には他のコースに変更も可能。逆に、他のコースからの受け入れも、可能にしています。
(岡山県美作高校 神谷大輔事務部長)
「一人も取りこぼすことなく、不登校特例校によって全員に卒業していただく」
現在、この不登校特例校、「学びの多様化学校」は全国に24校あります。 高校は3校だけで、このうちスポーツで有名な鹿児島城西高校では、手品を採り入れたりしているそうです。
こうした自己肯定感を高めるきめ細かな対応が、子供たちが学校に戻っていく“一つのきっかけ”になればと思いました。
以上、急上昇ニュースでした。
「不登校29万人」。このキーワードが10月初め、ネットを騒がせました。 2022年度の不登校の小中学生は全国で29万9000人。前の年度から22.1%増え、過去最多となりました。全ての児童生徒に占める割合は3.2%で、30人に1人にあたります。
このうち岡山県は3668人、香川県は1841人でいずれも過去最多でした。不登校が増えている理由について岡山県の教育委員会で聞きました。 (岡山県教委 人権教育・生徒指導課 横山智康課長)
「子供に『どうして来られないの?』と聞いても、『自分でもわからない』と答える子が多い。コロナ禍では風邪症状の時、登校せず様子を見たので、欠席することのハードルが下がっている。“教育機会確保法”ができて『学校に行く事が全てではない。色んな場で多様な学びができる』という考えが社会に浸透した。教育委員会としては、学校で公教育として身につけさせたいが、その子に今何が必要か、何を求めているのか、目を向ける必要がある」 “教育機会確保法”が2017年に施行されてから、国や自治体には、学校に行かない、行けない子供たちの支援が求められています。これによってフリースクールなど義務教育以外の受け皿がぐっと広がりました。
一方、高校生の不登校は岡山県が1034人、香川県が393人で、こちらも増加傾向です。 高校の場合、通信制が不登校の受け皿の一つになっていますが、岡山県では生徒数が3年間で2倍近くに増えています。高校生12人に1人が通信制に通う時代とも言われています。
こうした中、注目されるのが、文部科学省が指定する全日制と通信制の間を取った「学びの多様化学校」、いわゆる「不登校特例校」です。高校では中四国で初めての「不登校特例校」が2024年度から、津山市の岡山県美作高校に設置されることになりました。 美作高校に設置される「Bloom(ブルーム)コース」は、中学校で不登校だった生徒に配慮した教育を行う「不登校特例校」で、初年度の募集定員は20人です。その特徴は… (岡山県美作高校 神谷大輔事務部長)
「全日制普通科であることに変わりないが、朝登校しづらい生徒もいるので始業時間が1時間遅い。年間取得単位数も減らし、普通教科を減らし、体験型の授業を多く取り入れる」
始業時間は他の生徒より1時間遅く、登校できない場合は年間授業時間数の3分の1までオンラインを認めます。学習内容は中学校までの学びなおしに重点を置きます。こうした、学習指導要領にとらわれない柔軟なカリキュラムが不登校特例校の特徴です。
また、教育相談室には相談員が常駐し、利用しやすい環境づくりに努めます。
このほか、廃校になった奥津中学校の跡地を利用し、地域の文化を調べたり、ぶどうの収穫、加工体験も盛り込まれています。不登校を経験した生徒に人や自然とのつながりを多く体験してほしいという思いからです。
2年生進級時には他のコースに変更も可能。逆に、他のコースからの受け入れも、可能にしています。
(岡山県美作高校 神谷大輔事務部長)
「一人も取りこぼすことなく、不登校特例校によって全員に卒業していただく」
現在、この不登校特例校、「学びの多様化学校」は全国に24校あります。 高校は3校だけで、このうちスポーツで有名な鹿児島城西高校では、手品を採り入れたりしているそうです。
こうした自己肯定感を高めるきめ細かな対応が、子供たちが学校に戻っていく“一つのきっかけ”になればと思いました。
以上、急上昇ニュースでした。