OHK 8Ch

  • LINE友だち追加
西日本豪雨からのハード面の復興へ…新しい小田川への通水の瞬間 多くの住民が見守る【岡山・倉敷市】

2023.10.30

西日本豪雨からのハード面の復興へ…新しい小田川への通水の瞬間 多くの住民が見守る【岡山・倉敷市】

5年前の西日本豪雨で大きな被害を受けた倉敷市真備町を流れる小田川と高梁川の合流点を付け替える事業。10月29日、新しい小田川のルートに水が引き込まれました。ハード面の復興へ大きな節目です。

被災から5年余り、多くの住民らが見守る中、その瞬間は訪れました。

(通水開始の音)「ジャー」

(住民は…)
「歴史的な日が見られて良かった」
「これができたら(水位が)5メートルぐらい下がると言われているので、少しは安心」

(西日本豪雨発生直後 ヘリからのリポート)
「この堤防を乗り越えた小田川の水が住宅街にまであふれ出ました。そして、この一帯の住宅、ほとんどが冠水しています」

西日本豪雨では、高梁川が増水したことで小田川の水がせき止められて水位が上昇するバックウォーター現象が発生。小田川やその支流など8か所の堤防が決壊しました。

付け替え事業は現在の合流点の近くにある柳井原貯水池を経由させる形で新しい川の流れを作り、合流点を今より約4.6キロ下流に移すものです。10月16日時点での工事の進捗率は84%。2023年度末の完成を予定していて、今後、新しいルートの水の量を増やすとともに、現在の合流点を締め切ることにしています。

(地域防災に取り組む住民グループの代表)
「ハード面が整備されたとはいえ、まだまだ油断できないと思う。地域の住民が一体となってソフト面を強化していって、もしかしたら来るかもしれない災害に備えていきたい。」

(高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所 濱田靖彦所長)
「通過点ではあるが大きな節目、今年度末までに完成させる。その責任を最後まで果たしていきたい」

災害関連死を含め岡山県内で95人が亡くなった西日本豪雨。市の復興計画でも柱の1つと位置付けられている工事がいよいよ最終段階に入りました。