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宛先のない手紙を預かり続け10周年…瀬戸内の島で“漂流郵便局”を守る男性の思い【さぬきのプラス香川】

2023.11.14

宛先のない手紙を預かり続け10周年…瀬戸内の島で“漂流郵便局”を守る男性の思い【さぬきのプラス香川】

知っていると得する香川の豆知識をお届けするさぬきのプラス。今回は瀬戸内海のある島で、少し変わった郵便局を守り続ける1人の男性を取材しました。
さぬプラ 漂流郵便局01
(河野有紀記者)
「今年(2023年)、開局10周年を迎えた漂流郵便局。浜辺に流れ着く漂流物のように、色んな人の思いが辿り着く場所として、2013年に開局しました」
さぬプラ 漂流郵便局02
三豊市沖の粟島にある漂流郵便局は、瀬戸内国際芸術祭の作品として、2013年10月5日に開局しました。
さぬプラ 漂流郵便局03
天国の家族に宛てた手紙や、亡くなった友人へのメッセージなど、宛先のない手紙を預かり展示しています。
さぬプラ 漂流郵便局04
この郵便局を管理しているのが、開局当時から局長を務める中田勝久さん(89)です。

(漂流郵便局 中田勝久局長)
「みんなのためになった。続けて良かった」
さぬプラ 漂流郵便局05
当初、この郵便局は芸術祭の終了と同時に撤去される予定でしたが、中田さんの強い希望でそのまま残されることになりました。

(漂流郵便局 中田勝久局長)
「誰かに聞いてほしい、分かってほしい気持ちをここに出してもらって、みんなに披露するという目的は、会期中の1ヵ月では達成できなかった。(郵便局を)無くしてはいけないという気持ちが湧いて来て、郵便の整理や見学者の案内も全て私がするので継続しないかと作家に提案した」
さぬプラ 漂流郵便局07
田村由美さんの人気漫画で、2022年、フジテレビ系列でドラマ化された「ミステリという勿れ」に郵便局が登場し、大きな反響を呼んだという中田さん。手紙は国内だけでなく海外からも届いていて、この10年間で5万6000通を超えました。
さぬプラ 漂流郵便局09
(漂流郵便局 中田勝久局長)
「辛い気持ちが無くなることはない。でも手紙を出すことで、少しは癒やされたのかなと思うと安心する。体の続く限りはやっていきたい」
さぬプラ 漂流郵便局10
2023年で89歳を迎えた中田さん。島にたどりついた人々の思いをこれからも守り続けていきます。