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2024.04.11

真備町の復興は次のステージへ…災害に強くなったまちで住民へ、若者へ受け継がれた復興のバトン【岡山】

西日本豪雨の被災地、倉敷市真備町の治水対策工事が3月に完了。住民たちの防災意識にも変化が生まれ、復興は新たなステージを迎えています。
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まちを氾濫から守る大規模治水事業はついに完了。復興は一つの節目を迎えました。
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(高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所 濱田靖彦所長)
「左手が高梁川、右手が小田川。新たに合流点を付け替えた新しい下流が向こうの奥の方に見えている」
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工事の完了を見届けた、現地の河川事務所の濱田靖彦所長は当時をこう振り返ります。

(高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所 濱田靖彦所長)
「現場は大変だったと思う。暑い、寒い、コロナ禍での工事もあったので、現場は苦労したと思う」
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2018年7月の西日本豪雨。岡山県内では災害関連死も含め死者95人、行方不明者は3人と平成最悪の被害となりました。最も被害が大きかった真備町では8カ所の堤防が決壊。町全体が水につかりました。

国の治水対策として現地に「高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所」が設置されたのは2019年4月。西日本豪雨では、高梁川が増水したことで小田川の水がせき止められて水位が上昇するバックウォーター現象により被害が拡大。
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国は2つの川の合流点を付け替える事業を進め、新しい川の流れを作り、合流点を今より約4.6キロ下流に移しました。
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(高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所 濱田靖彦所長)
「被災した人たちが一日でも早く安心したいという思いは接して話していると強く感じた」
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一方、ソフト面での対策に力を注いできたのは地域住民たちです。真備町の川辺地区で復興活動に取り組む槙原聡美さん。約1700世帯のうちほとんどの家屋が全壊した川辺地区で不安な思いを抱える住民の居場所を作りたいと2018年10月、「川辺復興プロジェクトあるく」を発足させました。
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(川辺復興プロジェクトあるく 槙原聡美さん)
「自宅も、2階の床上10センチまで浸水。このままでは川辺地区真備町がだめになってしまうのではないか。どうにかしたいというのが最初の気持ち。まずは安心して集まれる場所、炊き出しから始めた」

「無事です」と書かれた黄色いタスキ。
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自宅の外から見える場所にこのタスキを掲げ、近隣住民に安否を知らせるもので、あるくが作成しました。今では、地域のほとんどの家に備えられています。
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自身も被災しながら活動を続けてこられたのはハード面で支えてくれた河川事務所の存在が大きかったと言います。
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(川辺復興プロジェクトあるく 槙原聡美さん)
「国土交通省の皆さんが一緒に考え、手が足りない所は、体と時間を使って手伝ってくれたことが本当に心強かったし、私たちが頑張ろうとする気持ちを後押ししてくれた」
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娘の鈴華さん(16)は西日本豪雨の時はまだ小学5年生でした。
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(槙原鈴華さん)
「豪雨災害時は防災の知識が全くなかったので、この時にこうしたらいいとか、避難するタイミングも分からなかった」

鈴華さんは被災後、あるくの活動に積極的に参加。2023年、高校1年生で防災士の資格を取得しました。豪雨災害を経験し、自分自身に大きな変化を感じたと言います。
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(槙原鈴華さん)
「地域の人たちとたくさん関わりたいし、自分より下の年齢の子たちに、たくさん活動する機会をあげたい」
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3月29日、河川事務所の閉所式が行われました。この日が真備町での最後の仕事です。
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(高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所 濱田靖彦所長)
「イベントには最初は「所長」として参加した。最近は「一住民」として参加させてもらうことが多くなった」
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(濱田靖彦所長の涙)

(高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所 濱田靖彦所長)
「ハード対策が終わり、次はソフト対策や地域の盛り上げにシフトしてもらえれば」
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(住民は…)
「こんなに身近に行政の人と活動できるとは 夢にも思わなかった。住民のためにしてくれていることが励みになった」

(槙原聡美さん)
「真備がどうなるかなと思っている中で、大きな工事を一緒にしてくれて、このバトンを私たちがしっかりと受け継いで頑張っていくので、離れていても見守って応援してもらえたら」
真備復興次のステージへ19
まちは大きく整備され、住民の心にも高い防災意識が刻まれた6年。真備町の復興は次のステージを迎えます。
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