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農家手作りの漬物が”道の駅から消えた”生産者たちの販売断念相次ぐ理由は…6月の法改正【岡山】

2024.05.28

農家手作りの漬物が”道の駅から消えた”生産者たちの販売断念相次ぐ理由は…6月の法改正【岡山】

道の駅などで販売されている手作りの漬物について。食品衛生法の改正に伴い6月から製造販売には保健所の許可が必要となり、今、漬物作りを断念する農家が増えています。

赤じそで漬けた真っ赤な梅干し。昔ながらの漬物が今、ピンチを迎えています。津山市にある道の駅「久米の里」地元で採れた野菜などが並ぶ中、漬物コーナーが設けられていますが、この日、販売されていたのは「梅干し」のみ。

(道の駅久米の里 浅図美鈴事務長)
Q、1つの商品しかない?
「そうなんです。漬物製造業の許可をとらなければいけないので、(生産者の)皆さん、そこまでお金をかけてできないということでゼロに近い状態」

1年ほど前までは、20軒ほどの農家がたくあんなどの漬物を持ち込んでいましたが今、販売されている商品が激減しています。

(買い物客)
「おじいちゃんおばあちゃんが自分の家の味で作っているもののほうが昔懐かしい。しょっぱーい梅のほうがおいしい」

食品衛生法の改正のきっかけは2012年に北海道で白菜の浅漬けが原因で8人が死亡した食中毒。改正法は段階的に施行され、6月から漬物製造業は保健所の許可が必要になり、加工場は自宅の台所と兼用できないなど、高い衛生基準が設けられました。

これを受け、津山市内の加工グループは20年以上に渡って続けた梅干しの加工販売を5月末で終了することを決断しています。

(倭文加工グループ 片山恵子代表)
「(商品に)虫が入らないようにとか、衛生的な事が色々ある。自分たちで施設を作ってまでできない、年齢的にも」

一方、県内有数のウメの産地、津山市久米地域ではこんな変化も…

(津山市梅の里管理組合 前原啓志組合長)
「いつもなら小梅がびっしりつく。いっぱいつく。今年は1個だけ」

害虫が発生したことで2024年はかつてない不作に…こちらの組合では、梅干しの加工販売を続ける方針ですが、施設整備による負担にウメの不作も重なり、頭を悩ます日々です。

(津山市梅の里管理組合 前原啓志組合長)
「あるものだけでもとる。平年の20分の1くらい。昔ながらの伝統がどんどん消えていくのは寂しい限り」

日本の食文化に深く根付く漬物。食品衛生法の改正が伝統的な手作りの味に大きな影響を与えています。
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