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2024.06.04

治水対策を取りつつ国の重要文化財「酒津取水樋門」を守る…倉敷市で高梁川堤防強化事業の検討会【岡山】

倉敷市の高梁川の堤防を強化する国の事業が、2024年度から始まるのに合わせ工事の進め方などを議論する検討会の初会合が6月4日、倉敷市で開かれました。

この事業は、倉敷市の酒津地区で、高梁川の堤防を約2キロにわたって拡幅するなどして強化するものです。2023年度に完了した高梁川と小田川の合流点の付け替え工事に続く重要な治水対策です。

有識者でつくる検討会では、工事区間にある国の重要文化財「酒津取水樋門」を守りながら、どのように工事を進めていくか議論します。酒津取水樋門は、1922年に造られた農業用水の施設で、2016年に国の重要文化財に指定されました。現在も、倉敷市内に農業用水を送り出す役割を担っていて、当時の技術を知る上でも貴重な建造物です。

(酒津地区堤防強化・笠井堰改築事業検討会(岡山大学特任教授)前野詩朗委員長)
「治水と文化財を守ることの両立を図っていかなければならない。どういった方策が最も適切か考えながら、良い結果を出したい」

(国交省 岡山河川事務所 垣原清次所長)
「酒津地区は治水上重要な箇所。決壊すれば広く浸水する重要な箇所、しっかりと事業を進めたい」

検討会は、7月下旬までにあと2回開かれ、国の重要文化財である酒津取水樋門を移設するかどうかなど方針を決める予定です。