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2024.06.22

「世界記録を出して、いつかは一般でも勝負」パラ陸上・堀玲那選手(岡山陸協)【キラキラアスリート】

岡山・香川の頑張っているアマチュアアスリートを応援する「キラキラアスリート」。今回紹介するのは、パラ陸上・堀玲那選手です。

岡山市北区のシティライトスタジアムで5月12日に行われた岡山県障害者スポーツ大会(陸上競技)で、立ち幅跳びに出場した堀選手は、跳躍ごとに大会新記録を更新、3回目も力強い跳躍を見せ、2m37と記録を伸ばして1位となりました。「(県大会の)いろんな種目で記録を塗り替える」と大会に臨んだ堀選手。レース後に感想や意気込みを聞きました。
(聞き手:OHK岡山放送 西村 和子)

Q:3回の跳躍チャンスがある中、1回目から大会新記録、全国大会の標準記録も突破して、最終的に2m37cmという好記録で優勝。今の気持ちは
(堀玲那選手)
「今は大会記録を更新するのが目標。自己新記録も2m36だったので、それを更新したいと思っていたのでうれしいです」

Q:自己ベストも更新できた
「はい」

Q:おめでとうございます。試合直前にぽつぽつと雨が降り始めたが?
「雨は基本的に気にならなくって、自分の集中を切らさずに頑張りました」

Q:立ち幅跳びという競技に挑むにあたり、心掛けていることは
「全身で跳ぶことを意識しています」

Q:力強い跳躍を個人的に感じた。意識は高く飛ぶことか、それとも前へ飛ぶのか
「前に飛ぶと体(のバランス)が崩れるので、だからといって上に飛ぶのも抜けちゃうので、中間の斜めぐらいに身体を持っていくようにして、足をしっかり前に最後持ってくるという意識です」

Q:その意識の持ち方っていうのは、普段指導を受けている父親から?
「いや、自分がもともと立ち幅跳びが得意だったので、自分のイメージと感覚でやりました」

Q:立ち幅跳びはもともと得意?
「はい」

Q:普段は砲丸投げで世界大会にも出場とのこと。砲丸投げと立ち幅跳びでは…メインは砲丸投げ?
「はい」

Q:今大会は立ち幅跳びでの出場。成績に関しては個人的には満足?
「そうですね、満足はしていて、立ち幅跳びを飛べたから調子はいい感じだったので、立ち幅跳び自体は記録はいけるかなという感覚ではあったので、自己新記録も更新できたのでそこはうれしかったです」

Q:(各大会で)エントリーされるのは砲丸投げの方が多いと思うんですけれども、立ち幅跳びを選んだ理由は
「(岡山県)障害者スポーツ大会に関しては私のクラス(知的障害)で砲丸投げがないため、走り幅跳びも前はやっていたんですが今はやっていないので、ソフトボール投げも自分の記録っていうのがあったので、いろんな(種目で)記録を塗替えようかなと思って今回、立ち幅跳びにエントリーしました」

Q:砲丸投げで、世界(大会)での記録に近づけるという話を聞いている。砲丸投げで今後目指したい距離や記録は
「(翌週の)5月19日に神戸で世界パラ(選手権)に出場するんですけど、自己ベストが(23年11月にアジア記録を樹立した)12m47で、(取材日現在)世界ランキング11位。世界ランキング8位以内の13m以上を投げることが世界と戦う記録ではあるので、しっかり13m台を狙ってこれからも競技を続けていきたいと思っています」

Q:将来はどんなパラ選手を目指したいか
「将来は知的障害の世界記録である14m台(6月20日現在で14m73)を出して、最終的には(自らが)世界記録を出して競技人生を終われるようにしっかり、一般でも戦えるようにしていきたいと思います」

Q:いつかは一般でも戦えるようにと。
「はい」

小学生時代はソフトボールに取り組み、陸上は中学校から始めたという堀選手。翌週の19日には「神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会」に砲丸投げで出場、今も知的障害のF20クラスで世界ランキングに名を連ねています。

現在の世界記録はドイツの選手が先出の世界選手権大会で樹立した14m73。「世界記録を出して競技人生を終われるように」という言葉に現れる、堀選手の“負けず嫌い”な性格は今後、国内外の大会で“新記録”への期待が持てます。

パラスポーツのフィールド部門でも岡山から日本代表が誕生しています。堀選手の活躍に注目です。