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2024.07.11

約900万件の顧客情報流出…NTT西日本子会社 元派遣社員の男に執行猶予付き有罪判決【岡山】

NTT西日本の子会社から約900万件の顧客情報が流出した事件を巡って、不正競争防止法違反の罪に問われている元派遣社員の男の裁判で、岡山地裁津山支部は7月11日、執行猶予付きの判決を言い渡しました。

判決などによりますとNTT西日本の子会社の元派遣社員、景山昌浩被告(64)は2023年1月、会社のサーバーにアクセス。

業務委託を結んでいた岡山県鏡野町にある山田養蜂場の顧客情報、約3万3000人分が記録されたファイルデータをダウンロードし、東京の名簿業者に売却したものです。

判決公判で岡山地裁津山支部の玉田雅義裁判官は、「利益目的でありこれまでも個人情報の売却を長期間にわたって繰り返していて罪責は重い。

ただし反省の弁を述べている」などと指摘。懲役3年の求刑に対し、懲役3年、執行猶予4年罰金100万円を言い渡しました。

【解説】
この事件では、もともとNTT西日本の子会社から約900万件もの顧客情報が流出したとして、懸念が広がりました。「営業秘密の侵害」と呼ばれる事件は、増加しています。

警察庁の調べでは、全国で検挙数は2014年に11件でしたが、2022年は29件、2023年は26件と右肩上がりの傾向となっています。大手総合商社の社員や病院の職員などがコンピューターからデータをコピーして持ち出すケースも報告されています。

人材の流動化によって、転職や独立をする際に情報を持ち出すケースが多いとされます。影山被告もこれまで転職を繰り返していました。ケースによっては情報が海外に流出した可能性も指摘されています。

人手不足の今、専門的な人材の転職はさらに高まりそうですが、企業や団体にはこれまで以上にセキュリティーの強化が求められています。