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2024.07.12

西日本豪雨6年「復興 その先へ」(5)避難所の“アイドル”も心優しい子供に…真備町の家族の今【岡山】

6年前の西日本豪雨では岡山県で、ピーク時、約4000人が避難所生活を余儀なくされました。過酷な避難所生活の中、アイドルのような存在となり被災者の心を支えてきたきょうだいが倉敷市真備町にいます。6年間、成長を見守ってきた母親ときょうだいの今をお伝えします。

「お帰り」
「ただいま」

倉敷市真備町に住む主婦・武内京子さん(45)。中学2年生の長女・美緒さん(13)と小学5年生の長男・優真くん(10)の子育てに奮闘中です。被災した自宅を修理し、夫と夫の母親の5人で暮らしています。

(武内京子さん)
「6年というのは長かったが、振り返ると怖い思いもある、(当時は)これからどうなるんだろうと思った」


「このくらいまで水がきた」

武内さんの自宅は6年前、1階が水につかりました。近くの岡田小学校に避難した竹内さん家族。当時、美緒ちゃんは小学2年生、優真くんはまだ4歳でした。

(武内京子さん)
「子供が汗かいたり汚れたりすると、すぐ着替えなければならないからどんどん洗濯物がたまる」

思うように子供たちの世話もできない、避難所生活。武内さんは、自宅の修理が終わるまでの約4カ月間、夏場で過酷な生活を余儀なくされました。

そうした中、美緒ちゃんは人懐っこい性格で、他の被災者にとって、アイドルのような存在に。わが子のようにかわいがってくれた避難所の人たちとの別れの日を、武内さんは今でも忘れられないといいます。

(被災者)
「頑張りましょう」

(武内京子さん)
「寂しい、また来ます」

自宅の修理が完了し、新しいキッチンに立った武内さん。

「私、地元が長崎なので、皿うどんやちゃんぽんを作りたい!」

武内さんは変わらぬ、わが家で子供たちのために腕をふるっています。

(武内京子さん)
「(Q:6年の間に何度も作りました?)作りました、そのたびに喜んで食べてくれた。作れてよかった」
「(子供たちは)人のためになる優しい子に育ってほしい」

試練を乗り越えた子供たちは心優しく成長し、今、家族や地域に感謝を伝えようとしています。

(武内優真くん)
「優しい大人(になる)!ずばり優しい大人ですね」
「恩返しはプレゼントをあげたり、お菓子とか」

(武内美緒さん)
「みんなを安心させられるような人になりたい」
「お母さんを安心させるように頑張りたい」

親子、そして地域との絆が6年間でますます強くなっています。