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2024.07.26

廃棄される漁網が強度アップに…伝統工芸品「丸亀うちわ」で有効活用【エコナビ・香川】

瀬戸内のエコな話題をお届けするエコナビです。今回は廃棄されるはずだったあるものを使った丸亀うちわの話題です。

丸亀うちわを作って23年になる、伝統工芸士、中田元司さんを訪ねました。作っているところを見せてもらうと…取り出して広げたのはこちらの網。実はこれ、漁業で使われて廃棄されるはずだった『漁網』なんです。竹骨と和紙の間に挟み込んで貼り合わせていきます。

(丸亀うちわ伝統工芸士 中田元司さん)
「ハンバーガーのように中に挟み込むうちわは他にない。凹凸のある中でいかに和紙に漁網や竹骨をなじませるかが難しい」

アミアミの模様は漁網、だったんですね。もう必要なくなった漁網をうちわの材料に利用しているということでしょうか。そうなんです。この漁網のうちわを企画したのは「香川県うちわ共同組合連合会」の山田時達会長。丸亀うちわには、もともと、強度を増すために漁網をはさみこんで作る技法があったため、廃棄される漁網を活用することを思いつきました。

(香川県うちわ共同組合連合会 山田時達会長)
「昔はそういう作り方(廃品利用)をしていたと聞いた。環境保全のイメージ、プラス原点回帰の意味も込めて」

(丸亀うちわ伝統工芸士 中田元司さん)
「漁港で廃棄された漁網が山積みにされたのを見てうまく再利用、有効に利用できたらなと思っていた」

環境省の調査によりますと、海岸に流れ着いた漂着ごみのうち、漁網やロープは約40%と大部分を占めていて、海洋生物への影響も懸念されています。山田会長は愛媛県宇和島市の漁師から不要になった漁網を譲り受けて漁網のうちわを開発。REFINEと名付け自身が経営する会社で販売しています。

(紙工芸やまだ 山田時達社長)
「うちわは環境保全につながる良い商品だと思うので守っていくだけでなく発展していけるような事ができたら」