2024.09.03
香川県の少子化対策待ったなし 切れ目のない支援を目指す行政と育休取得率100%企業の取り組み
香川県が最重要課題の一つと位置付けている少子化対策。香川県は、2023年の出生数が過去最少を更新するなど少子化に歯止めがかかりません。局面の打開に向けた行政、企業の取り組みを取材しました。
(親子)
「うわ~できた!良かったね~」 ジャガイモのデンプンを使ったスライムづくりに取り組んでいるのは、0歳児から2歳児の親子です。
香川県綾川町の子育て支援センター、「しいのき」。子育ての相談や援助のほか親子同士の交流の場で、月に数回、親子を対象にしたイベントも行っています。 (1歳児の母親)
「夏場は外に出かけられないので、室内で遊べてすごく助かる」 (2歳児の母親)
「家でいると話し相手もいないし、相談相手も誰でもすぐ会えるわけではない。ここはずっと開いているので何かあった時に来て、しゃべり相手がいるのはすごく安心できる」
「しいのき」は、2024年4月、県の「かがわ子育てステーション」に登録しました。 「かがわ子育てステーション事業」は、県が2024年度から始めた少子化対策の肝いり事業で、約900万円の予算をかけ県内の子育ての支援拠点を「かがわ子育てステーション」として登録して、広く周知します。名称を統一して周知することで、気軽に立ち寄り相談できる場所として子育て世帯に認知してもらい、子育てしやすい環境を整えるのが狙いです。登録数は、8月23日現在で210カ所を超えました。 (しいのき 岡内清子さん)
「公に、ここは利用できるということを知らない人も多いので、これから広めていければいいと思う」 (香川県 池田豊人知事)
「考えられる政策を次々と行ってきたが、成果が顕著に出ているかというとそうはなっていない。(少子化対策を)今後どう進めるかは大きな課題であり、難しい課題だと改めて認識している」 池田知事は、8月19日の定例会見で少子化対策のもどかしさについてこのように述べました。その背景には県が直面している深刻な状況があります。
香川県の出生数の推移をみると、右肩下がりで減少し、2023年は5365人と過去最少を更新、10年前と比べると3割以上減っています。 同じく婚姻数も右肩下がり。10年前と比べると約3割減少しています。 こうした状況を受け県は2024年度、約24億円をかけて少子化対策局面打開パッケージをまとめました。 かがわ子育てステーション事業のほか、婚姻届を出したカップルが様々な優待サービスを受けられる未来応援パスポート事業など新規を含めた31の事業で結婚から妊娠・出産、子育てまで切れ目のない支援を目指します。 (香川県子ども政策課 和田朝子課長)
「部局横断的な取り組みをパッケージにした。一つ、少子化を打開していくという強い意志はこのパッケージに込められていると思う」 (県商工会議所連合会 綾田裕次郎会長)
「若い人たちが香川県にとどまって、あるいは県外に出ても帰って働きたいと思えるような環境整備の支援をお願いしたい」 24年7月、池田知事と県内の経済団体の代表らによる意見交換会が開かれました。テーマは、「今後の少子化対策」。会では、男性の育児休業や時短勤務など子育て世帯が働きやすい職場環境を整えることの必要性などが話し合われました。
(香川県 池田豊人知事)
「県だけではできない。皆さんの力を借りて、総合力で取り組んでいかなければならない問題」 高松市のうどんメーカー、石丸製麺です。従業員約160人のこの会社では2008年から社員が働きやすい職場環境の整備を進めていて、2019年以降、男女ともに育休の取得率が100%となっています。 (育休を取得した男性職員)
「約2週間取得した。家事・育児をすべて妻と一緒に行った」 「4か月取得した。社員一同が応援してくれる環境が整っている」 会社では、男女別の「出産育児ガイドブック」を作成し、休憩所などで誰でも見られるようにしているほか、年間の休みの日数を99日から120日に増やして休みを取りやすくしました。 また妊娠が分かった段階で上司などとの面談を行い、今後の業務などについて話し合う制度も設けました。 入社9年目の矢田華奈さん(32)。現在、約30人のグループのリーダーを務めています。矢田さんは、2人の子供の産休・育休ののち2021年、時短勤務でありながら管理職に当たる管理者として職場復帰しました。
(石丸製麺 矢田華奈さん)
「子育てする母親としては、土日も休みで育休・産休もしっかり取れるので不安なく出産・子育てができる。お母さんでも仕事していいと思える環境なので、戻ってこようという気持ちはあった」 石丸祥子専務は、社員が出産や子育てをしやすい職場環境を整えることは、企業の生き残り策としても重要だと考えています。
(石丸製麺 石丸祥子専務)
「いい人材に長く勤めてもらう、そういう人材を確保することは企業の生き残り戦略として非常に大切。そうでないと人は去っていく。来てもくれないし、いても去ってしまう」 香川県の人口は24年5月、92万人を割り込み、約半世紀前と同じ91万人台になるなど2000年以降減少が続いています。今後もこれまでのような社会生活を続けていくためにも少子化の解消はまさに待ったなし。今、行政と企業の本気度が問われています。
(親子)
「うわ~できた!良かったね~」 ジャガイモのデンプンを使ったスライムづくりに取り組んでいるのは、0歳児から2歳児の親子です。
香川県綾川町の子育て支援センター、「しいのき」。子育ての相談や援助のほか親子同士の交流の場で、月に数回、親子を対象にしたイベントも行っています。 (1歳児の母親)
「夏場は外に出かけられないので、室内で遊べてすごく助かる」 (2歳児の母親)
「家でいると話し相手もいないし、相談相手も誰でもすぐ会えるわけではない。ここはずっと開いているので何かあった時に来て、しゃべり相手がいるのはすごく安心できる」
「しいのき」は、2024年4月、県の「かがわ子育てステーション」に登録しました。 「かがわ子育てステーション事業」は、県が2024年度から始めた少子化対策の肝いり事業で、約900万円の予算をかけ県内の子育ての支援拠点を「かがわ子育てステーション」として登録して、広く周知します。名称を統一して周知することで、気軽に立ち寄り相談できる場所として子育て世帯に認知してもらい、子育てしやすい環境を整えるのが狙いです。登録数は、8月23日現在で210カ所を超えました。 (しいのき 岡内清子さん)
「公に、ここは利用できるということを知らない人も多いので、これから広めていければいいと思う」 (香川県 池田豊人知事)
「考えられる政策を次々と行ってきたが、成果が顕著に出ているかというとそうはなっていない。(少子化対策を)今後どう進めるかは大きな課題であり、難しい課題だと改めて認識している」 池田知事は、8月19日の定例会見で少子化対策のもどかしさについてこのように述べました。その背景には県が直面している深刻な状況があります。
香川県の出生数の推移をみると、右肩下がりで減少し、2023年は5365人と過去最少を更新、10年前と比べると3割以上減っています。 同じく婚姻数も右肩下がり。10年前と比べると約3割減少しています。 こうした状況を受け県は2024年度、約24億円をかけて少子化対策局面打開パッケージをまとめました。 かがわ子育てステーション事業のほか、婚姻届を出したカップルが様々な優待サービスを受けられる未来応援パスポート事業など新規を含めた31の事業で結婚から妊娠・出産、子育てまで切れ目のない支援を目指します。 (香川県子ども政策課 和田朝子課長)
「部局横断的な取り組みをパッケージにした。一つ、少子化を打開していくという強い意志はこのパッケージに込められていると思う」 (県商工会議所連合会 綾田裕次郎会長)
「若い人たちが香川県にとどまって、あるいは県外に出ても帰って働きたいと思えるような環境整備の支援をお願いしたい」 24年7月、池田知事と県内の経済団体の代表らによる意見交換会が開かれました。テーマは、「今後の少子化対策」。会では、男性の育児休業や時短勤務など子育て世帯が働きやすい職場環境を整えることの必要性などが話し合われました。
(香川県 池田豊人知事)
「県だけではできない。皆さんの力を借りて、総合力で取り組んでいかなければならない問題」 高松市のうどんメーカー、石丸製麺です。従業員約160人のこの会社では2008年から社員が働きやすい職場環境の整備を進めていて、2019年以降、男女ともに育休の取得率が100%となっています。 (育休を取得した男性職員)
「約2週間取得した。家事・育児をすべて妻と一緒に行った」 「4か月取得した。社員一同が応援してくれる環境が整っている」 会社では、男女別の「出産育児ガイドブック」を作成し、休憩所などで誰でも見られるようにしているほか、年間の休みの日数を99日から120日に増やして休みを取りやすくしました。 また妊娠が分かった段階で上司などとの面談を行い、今後の業務などについて話し合う制度も設けました。 入社9年目の矢田華奈さん(32)。現在、約30人のグループのリーダーを務めています。矢田さんは、2人の子供の産休・育休ののち2021年、時短勤務でありながら管理職に当たる管理者として職場復帰しました。
(石丸製麺 矢田華奈さん)
「子育てする母親としては、土日も休みで育休・産休もしっかり取れるので不安なく出産・子育てができる。お母さんでも仕事していいと思える環境なので、戻ってこようという気持ちはあった」 石丸祥子専務は、社員が出産や子育てをしやすい職場環境を整えることは、企業の生き残り策としても重要だと考えています。
(石丸製麺 石丸祥子専務)
「いい人材に長く勤めてもらう、そういう人材を確保することは企業の生き残り戦略として非常に大切。そうでないと人は去っていく。来てもくれないし、いても去ってしまう」 香川県の人口は24年5月、92万人を割り込み、約半世紀前と同じ91万人台になるなど2000年以降減少が続いています。今後もこれまでのような社会生活を続けていくためにも少子化の解消はまさに待ったなし。今、行政と企業の本気度が問われています。