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2024.09.13

9月28日に開幕「森の芸術祭」アートディレクター長谷川祐子さん【中塚美緒のライブトーク・岡山】

いま旬な人や話題の人に直接会って話を伺う中塚美緒のLiveトーク。今回のゲストは9月28日から始まる「森の芸術祭」のアートディレクター長谷川祐子さんです。岡山県北で初めてとなる大規模な芸術の祭典。見どころをたっぷりうかがいました。

(中塚美緒アナウンサー)
「よろしくお願いします。素敵な建物ですね」

(長谷川祐子さん)
「作州民芸館といって元々銀行だった。ここも展覧会の会場として使う」

9月28日から岡山県北で初めて開かれる「森の芸術祭晴れの国・岡山」津山市や真庭市など県内12の市町村がエリアとなり約40のアート作品を楽しむことができます。

芸術祭のアートディレクターを務めるのが、今回のゲスト長谷川祐子さん。人気アーティスト蜷川実花さんに参加を呼びかけたのも長谷川さんです。蜷川さんは新見市にある鍾乳洞、満奇洞で真っ赤に照らされた彼岸花が印象的な作品を展開します。

(蜷川実花さん)
「鍾乳洞で(作品作りを)出来ることはなかなかない。(長谷川さんから)さすがと思えるパスを受けたので頑張る」

(長谷川祐子さん)
「受け取ってもらわないと困るという感じで言って、実花ちゃんはえーって(笑)」

現在、石川県にある金沢21世紀美術館の館長を務める長谷川さん。世界各国の展覧会を手掛けてきましたが実は国内での挑戦は今回が初めてです。

(中塚美緒アナウンサー)
「今回アートディレクターを務めるきっかけは」

(長谷川祐子さん)
「岡山県とJRの人たちが一緒に来て、県北で芸術祭をするからディレクターをやってもらえないかと。美術館があるとかギャラリーがあるという場所というより自然の中。やったことないことをやってみようというのが私のポリシーなので大変興味を持って、うまくいくか分からないが引き受けますと」

(中塚美緒アナウンサー)
「(岡山県北には)芸術祭に関わるきっかけが初めて?」

(長谷川祐子さん)
「そうです、それまで全然知らなかった。ある意味で何もない地方都市ではなく、きちんとした文化が脈々とあって、そのことを私が知らなかっただけだと恥ずかしながら理解した。「つやま自然のふしぎ館」も素晴らしい自然史博物館だと思う。絶滅種のデータやはく製のコンディションがめちゃくちゃ良い。美術をやっている人間ははく製のコンディションもすごく見ちゃう。これはすごいと思ってニューヨークの自然史物館のレベルよりもすごいと。置き方も素晴らしかった」

これまで知らなかった県北の歴史や文化に魅了されたという長谷川さん。一方、グルメについては。

(長谷川祐子さん)
「私はフルーツが大好きなので、実はこの仕事を引き受けた理由の一つがシャインマスカットが食べられるという非常に具体的な理由。日本で芸術祭やることがあれば絶対「食」。日本において食は芸術なので、プロジェクトを必ず入れたいと思っていた」

今回の芸術祭では岡山県美咲町出身の世界的なシェフ、鈴鹿成年さんによるオリジナルパフェなどグルメにも力を入れています。

(中塚美緒アナウンサー)
「他のその芸術祭と、ここが違うという魅力は」

(長谷川祐子さん)
「渓流で滝を見ながら鏡と木の間を歩くとか、城下町で江戸・明治・大正・昭和で流れがトレースとしてきれいに建物が残っていて、そこで響き合いながら、アーティストがインスタレーションしていく。このバリエーションの豊かさは他の芸術祭にはないと思う」

(中塚美緒アナウンサー)
「今まで見られなかったアートと自然の融合がたくさん見られるかも」

(長谷川祐子さん)
「そうです。なるべく案内はスムーズにしたいと思うが、場所を見つけるのに迷うこともあると思う。そういう時は短気にならず、いろんなものを楽しみながら迷うことを楽しみながら見ていただきたい。今のいろんなことが簡単に手に入る、簡単に目的地に行けることと真反対の体験をして、その代わりたどり着いた場所ではかけがえのない体験ができる」

(中塚美緒アナウンサー)
「携帯などは置いて自分の足で探検して」

(長谷川祐子さん)
「でもグーグルマップはあった方がいいと思う笑」

(中塚美緒アナウンサー)
「ここからは長谷川さんの人生の転機に迫っていきたいと思います。一枚の写真を用意していただきました。これは橋の写真ですか」

(長谷川祐子さん)
「トルコのイスタンブールのボスポラス橋です」
2001年、長谷川さんがトルコのイスタンブールの展覧会を手掛けた時に公開された橋を使った作品。中央にライトが仕込まれていて赤ちゃんが1人生まれると20秒間、橋が光るというアート作品です。実はこの展覧会が開かれる10日前に起こったのが「9・11」アメリカ同時多発テロでした。

(長谷川祐子さん)
「9・11で世界がどうなっていくか分からない。ムスリムの人たちがとても不安な状況にあった時にこれが希望の光、新しい生命が生まれる光として、20秒みんなが幸せになったと言われた。私は、そこにいる人たちのために、アーティストと一緒にこういうことをやり続けたいと決心したきっかけになった作品」

(中塚美緒アナウンサー)
「こういう時だからこそという希望」

(長谷川祐子さん)
「戦争があってテロがまん延していて、アートどころではないと簡単に言う人がいる。でも人の不安とか死と隣り合わせの日々の中で芸術が何をもたらすのかが大事」

【人柄に迫る】

(中塚美緒アナウンサー)
「ここからは長谷川さんのお人柄について迫っていきたい。5枚のカードを用意しました」

【休日の過ごし方】

(長谷川祐子さん)
「私はとても怠け者。仕事をしているとちゃっかりしているが、あとはダラダラしているのでジムに行ってプールで泳いでいる」

(中塚美緒アナウンサー)
「怠け者ではないです(笑)」

(長谷川祐子さん)
「シュノーケリングやとかイビングとか海に行きたいなといつも思っている」

(中塚美緒アナウンサー)
「ものすごくアクティブ」

(長谷川祐子さん)
「全然アクティブじゃない。ダラダラ浮いていればいい」

森の芸術祭の開幕まであと15日。アートディレクターとして今、望むことは。

(中塚美緒アナウンサー)
「今回芸術祭で地元の人に何を感じてほしい?」

(長谷川祐子さん)
「驚いたり楽しんだり感動したりしてほしい。その先に恋に落ちてほしい。芸術と自分が住んでいる場所にもう一度。」

(中塚美緒アナウンサー)
「恋に落ちるというのが素敵な表現」

(長谷川祐子さん)
「大事です、やっぱり」