2024.09.03
種をまいた記憶のない場所から発芽したスイカ。どんどん大きくなって・・・・・
萩原渉です。
キュウリが取れ始めた時季にこの欄で「今シーズンはどの1本も取り残さない!」と宣言しましたが、大きな葉の陰に隠れていた個体の発見に遅れてしまい、気付いた時には黄味がかったヘチマのような状態になっていて3本ほど無駄にしてしまいました。深く反省です。来年は1株でいいや。
容赦なく同時多発的に生長するキュウリをモグラ叩き感覚で収穫している頃、隣の空きスペースに彗星の如く現れ、チンギス・ハンのような勢いで八方の表土を侵略し始めていたのが、なんと同じウリ科のスイカのつるでした!
これは夏の初めにご近所さんから頂いた鳥取産のおいしいスイカを食べた後、皮だけを畑に埋めた際にたまたま付着していた種が発芽したものと思われます。
その根性を讃えて引っこ抜くことはせず放置していたところ、ある朝、テニスボール大の実が付いているのに気付きました。思わず「おっ⁉︎」と口走ったものです。その日以降、この天からの授かり物が大きくなっていくのを毎朝楽しみにしていました。
大分の義母から「そんな『ひとりばえ』のスイカは美味しい訳がない。腐っとるかもしれん。」と激励の言葉を頂きながら収穫のタイミングを待っていたのです。種をまいた覚えのない場所からの発芽を「ひとりばえ」と呼ぶことを初めて知りました。
やってきました。台風10号が。
大分の義母から「水を吸い過ぎて割れてしまう前に収穫した方が良い」とここに来てポジティブな指示を頂き、本来ならもう2〜3日待ちたかったのですが、出勤前にハサミを入れたのです。重い!量ってみたらなんと5.3キロもありました。
「ひとりばえ」というどこか寂し気な響きを持つこのスイカ。腐っているのか、それともまだ熟していないのか・・・!? 収穫から2日後、半分に切ってみると・・・、
おおお。
少なくとも見た目はフツーです。
気になるそのお味は~・・・!?
果たして~っ!? (ありがちナレーション)
めちゃくちゃ甘いっ‼︎
・・・というほどではありませんが、普通においしく食べられました。「棚から牡丹餅(タナボタ)」ならぬ「土からスイカ(ツチスイ)」とでも申しましょうか。ふとした授かり物を大切に見守った甲斐がありました。義母に「おいしく食べられましたよ!」と写真とともに報告したら、喜んでくれました。
けさ、また生い茂った葉の中にソフトボール大の実を見つけました。
「ひとりばえ」 侮るなかれ。