2024.11.15
不登校生徒に配慮 津山市の「学びの多様化学校」に通い授業を受ける1期生が感じた“自身の変化”【岡山】
岡山県内で過去最多を更新し続けている不登校の生徒。そうした生徒を受け入れるために新しいコースを設立し、特例校に認定された津山市の私立高校を取材しました。
「おはようございます」
「おはよう」
津山市にある私立高校、岡山県美作高校のBloomコースです。2024年に新設されたばかりで22人の1期生が通っています。このクラスでは中学校で不登校だった生徒に配慮した教育を行います。
午前9時25分。ホームルームが始まりました。通常のクラスより1時間遅いスタートです。また、年間授業時間の3分の1まではオンラインでの受講も認めているため、生徒は自分の調子やペースに合わせて通うことができます。
(岡山県美作高校 Bloomコース長・担任 小林泉教諭)
「ずっと不登校だったこともあり朝が弱い生徒が多い。1時間遅れているおかげで間に合うなど、楽みたい」
岡山県教委によりますと県内の不登校生徒の数は2023年度、5391人と過去最多を更新。少子化の影響で高校再編の議論も進む中、各地域で不登校生徒の受け皿となる学校づくりが急務となっています。
美作高校はこのコースの新設に伴い、中四国で初めて文部科学省から「学びの多様化学校」いわゆる「不登校特例校」に認定されています。
毎週水曜日は教室を飛び出し、岡山県鏡野町での校外授業。ホームルームの後バスで移動します。着いた先は地域の保育園です。
(園児)
「おはようございます」
(Bloomコースに通う生徒)
「こっちも挨拶する?」「挨拶する?」「どうする?」
「せーの。おはようございます」
はじめは少しぎこちなさがありましたが、手をつなげばすぐに打ち解けます。
(Bloomコースの生徒)
「ヘビあまり見たことないんだよな。ヘビ怖い?」
(園児)
「ちょっとだけ怖い」
(Bloomコースに通う生徒)
「楽しい。自分たちにはない物を(園児は)持っている。無邪気な感じが」
(岡山県美作高校 小林泉教諭)
「校外に出ることで生徒の気持ちが開放的になって活動的になれる。地域のお年寄りや幼児、児童と積極的に関わることを目指している」
また、廃校になった奥津中学校の跡地を利用しグループワークも。この日はタブレット端末を使って県北エリアを調べる学習です。
(岡山県美作高校 小林泉教諭)
「主要産業とか、もう少し深められたら良いかな。3番4番5番6番をもう少し深めてみて」
(Bloomコースに通う生徒)
「3,4,5,6?」
「(グループワークは)あまり得意ではない。そこまで頻度が多くないので負担にはならない」
校外学習を行う水曜日は普段よりも生徒の登校率が高いと言います。
(岡山県美作高校 小林泉教諭)
「やはり校外学習などの活動をしたかったんだなと。今まで中学校の時には修学旅行も行けなかったり、いろんな活動に参加できていなかったが、高校生になって、校外学習で出かけられるなど、そういう活動をしたかったんだなと伝わってくる」
かつては不登校だった生徒たち。Bloomコースに通い始め自身が変化したと話します。
(Bloomコースに通う生徒)
「気持ちがすごく軽いというか、深く考えることがあまりないので良い」
「前より頑張れるようになった。配慮してもらえるから学校に行きやすい。ハードルが少し下がって、もう少し頑張ろうと」
「リーダー的なポジションの役職をあまりやってこなかったが、Bloomコースに入って、やろうという気持ちが出てきて、実際、今リーダーをやっている。(Q:やってみてどう?)楽しい。とても」
美作高校では2025年度からさらに新たなコースが創設されます。
(岡山県美作高校 神谷大輔事務部長)
「令和7年度よりアスリートコースを新設します」
アスリートコースは運動部に特化したコースで、中学校で部活動に励んでいた生徒に高校でも県北の地で引き続き頑張ってほしいという思いが込められています。
(岡山県美作高校 アスリートコース長(予定)上岡昌太教諭)
「(競技は)陸上競技部、女子ソフトボール部、バレーボール部、柔道部、ゴルフ部に限る。生徒の目標や夢をサポートできるように、志を持った生徒をしっかり支えて全国大会、世界大会に出られるような生徒の育成を目指す」
(岡山県美作高校 神谷大輔事務部長)
「教員の働き方改革もあり、特に中学校の部活動の現場では地域移行やクラブ化が話題に上るが、私学として本校の教育の下で部活動を存続させていきたい」
校内ではコースに関係なく生徒同士が関われる機会も多く作っています。
(特別進学コースに通う生徒)
「Bloomコースに友達がいるが、その子も毎日元気に登校していて、体育祭や文化祭でも仲良く関わって、競技に出たり、「ちょっとこれ作って」とか協力したりした」
人生で一度きりの高校生活。
(岡山県美作高校 小林泉教諭)
「できるだけ笑顔で生徒が来やすいように、話しかけやすいように意識している」
(Bloomコースに通う生徒)
「先生はすごく優しい。顔にも表れているように」
(岡山県美作高校 小林泉教諭)
「ありがとう」
美作高校では生徒が通いたいと思える、地域のニーズに即した学校づくりが進められています。
「おはようございます」
「おはよう」
津山市にある私立高校、岡山県美作高校のBloomコースです。2024年に新設されたばかりで22人の1期生が通っています。このクラスでは中学校で不登校だった生徒に配慮した教育を行います。
午前9時25分。ホームルームが始まりました。通常のクラスより1時間遅いスタートです。また、年間授業時間の3分の1まではオンラインでの受講も認めているため、生徒は自分の調子やペースに合わせて通うことができます。
(岡山県美作高校 Bloomコース長・担任 小林泉教諭)
「ずっと不登校だったこともあり朝が弱い生徒が多い。1時間遅れているおかげで間に合うなど、楽みたい」
岡山県教委によりますと県内の不登校生徒の数は2023年度、5391人と過去最多を更新。少子化の影響で高校再編の議論も進む中、各地域で不登校生徒の受け皿となる学校づくりが急務となっています。
美作高校はこのコースの新設に伴い、中四国で初めて文部科学省から「学びの多様化学校」いわゆる「不登校特例校」に認定されています。
毎週水曜日は教室を飛び出し、岡山県鏡野町での校外授業。ホームルームの後バスで移動します。着いた先は地域の保育園です。
(園児)
「おはようございます」
(Bloomコースに通う生徒)
「こっちも挨拶する?」「挨拶する?」「どうする?」
「せーの。おはようございます」
はじめは少しぎこちなさがありましたが、手をつなげばすぐに打ち解けます。
(Bloomコースの生徒)
「ヘビあまり見たことないんだよな。ヘビ怖い?」
(園児)
「ちょっとだけ怖い」
(Bloomコースに通う生徒)
「楽しい。自分たちにはない物を(園児は)持っている。無邪気な感じが」
(岡山県美作高校 小林泉教諭)
「校外に出ることで生徒の気持ちが開放的になって活動的になれる。地域のお年寄りや幼児、児童と積極的に関わることを目指している」
また、廃校になった奥津中学校の跡地を利用しグループワークも。この日はタブレット端末を使って県北エリアを調べる学習です。
(岡山県美作高校 小林泉教諭)
「主要産業とか、もう少し深められたら良いかな。3番4番5番6番をもう少し深めてみて」
(Bloomコースに通う生徒)
「3,4,5,6?」
「(グループワークは)あまり得意ではない。そこまで頻度が多くないので負担にはならない」
校外学習を行う水曜日は普段よりも生徒の登校率が高いと言います。
(岡山県美作高校 小林泉教諭)
「やはり校外学習などの活動をしたかったんだなと。今まで中学校の時には修学旅行も行けなかったり、いろんな活動に参加できていなかったが、高校生になって、校外学習で出かけられるなど、そういう活動をしたかったんだなと伝わってくる」
かつては不登校だった生徒たち。Bloomコースに通い始め自身が変化したと話します。
(Bloomコースに通う生徒)
「気持ちがすごく軽いというか、深く考えることがあまりないので良い」
「前より頑張れるようになった。配慮してもらえるから学校に行きやすい。ハードルが少し下がって、もう少し頑張ろうと」
「リーダー的なポジションの役職をあまりやってこなかったが、Bloomコースに入って、やろうという気持ちが出てきて、実際、今リーダーをやっている。(Q:やってみてどう?)楽しい。とても」
美作高校では2025年度からさらに新たなコースが創設されます。
(岡山県美作高校 神谷大輔事務部長)
「令和7年度よりアスリートコースを新設します」
アスリートコースは運動部に特化したコースで、中学校で部活動に励んでいた生徒に高校でも県北の地で引き続き頑張ってほしいという思いが込められています。
(岡山県美作高校 アスリートコース長(予定)上岡昌太教諭)
「(競技は)陸上競技部、女子ソフトボール部、バレーボール部、柔道部、ゴルフ部に限る。生徒の目標や夢をサポートできるように、志を持った生徒をしっかり支えて全国大会、世界大会に出られるような生徒の育成を目指す」
(岡山県美作高校 神谷大輔事務部長)
「教員の働き方改革もあり、特に中学校の部活動の現場では地域移行やクラブ化が話題に上るが、私学として本校の教育の下で部活動を存続させていきたい」
校内ではコースに関係なく生徒同士が関われる機会も多く作っています。
(特別進学コースに通う生徒)
「Bloomコースに友達がいるが、その子も毎日元気に登校していて、体育祭や文化祭でも仲良く関わって、競技に出たり、「ちょっとこれ作って」とか協力したりした」
人生で一度きりの高校生活。
(岡山県美作高校 小林泉教諭)
「できるだけ笑顔で生徒が来やすいように、話しかけやすいように意識している」
(Bloomコースに通う生徒)
「先生はすごく優しい。顔にも表れているように」
(岡山県美作高校 小林泉教諭)
「ありがとう」
美作高校では生徒が通いたいと思える、地域のニーズに即した学校づくりが進められています。