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復興から再生へ新たなステージへ

2021.04.09

復興から再生へ新たなステージへ

この4月から倉敷市が策定した真備地区復興計画は
「復旧期」から「再生期」へと新たなステージに移ります。

計画期間は2019年度から23年度までの5年間で、ちょうど中間点に差し掛かります。
インフラ復旧や再生への準備期間を経て、
これからは生活環境の本格復旧、被災前の活力を回復し地域の価値を高める段階に入るのです。

その主役は何をおいても被災者でなければなりません。
真備地区の復興には被災者が元の場所に戻り、地域のコミュニティー再生に力を発揮することが不可欠で、
そこをめざして計画が着実に前に進むことが期待されます。
その上であるデータを紹介します。

1134人。

これは今年2月末時点、仮設住宅で暮らす被災者の数です。

西日本豪雨から2年半を過ぎてもまだ1000人を超える被災者が住み慣れた土地を離れ、
仮設住宅での暮らしを強いられています。

その数字が意味するものは―。

小田川付け替え工事が完了するまでは不安だという人、
年を取って住宅ローンを組むことに躊躇(ちゅうしょ)する人、
取材すると、さまざまな事情を抱える被災者の姿が見えてきます。

生活再建の速度、地域への愛着、復興に向けた歩みは人ぞれぞれです。
そうした被災者が復興計画の網から誰一人こぼれ落ちないよう、
きめ細かな目配りができてこそ計画が血の通ったものになると私は考えます。

執筆:小林宏典(OHK報道部)
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