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被災後に両親の必死な姿を見て決意 倉敷市真備町のうどん店 感謝と覚悟を込めた再出発【岡山・倉敷市】

2021.05.24

被災後に両親の必死な姿を見て決意 倉敷市真備町のうどん店 感謝と覚悟を込めた再出発【岡山・倉敷市】

西日本豪雨で被災した倉敷市真備町の人気うどん店が新しい店舗に移転オープンしました。復興に向かう地域の人達への感謝と覚悟を込めた再出発です。

(うどん踏み)

(川原涼さん)
「単純作業だが結構奥が深い、まだまだ。」

倉敷市真備町で人気のうどん店、「かわはら」です。川原涼さん(24)は、両親が営むこの店を手伝って3年になります。

(川原涼さん)
「つぶしてはいけないという災害からの思いがあったので、覚悟というのはずっと変わらず。」

2018年の西日本豪雨で、店は天井まで水につかりました。うどんを打つ機械も全て使えなくなりました。

しかし、涼さんの両親は被災から3カ月後に店を再開させ、地元の人やボランティアの人たちにうどんを提供してきたのです。

当時、涼さんはサラリーマンでした。必死に店を立て直す両親の姿を見て、店を引き継ぐことを心に決めました。

(川原涼さん)
「災害の後、泣きながらうどんを食べる人がいて『そうか、ここまで愛されてたのか』というのを見てからしないといけないかなと思って決断した。」

しかし、再開した店には新型コロナの影響も・・。さらに、堤防の拡幅工事のため近くの道路が2年間に渡り通行止めになることも分かり、今後、客が減ることも予想されました。

(母・艶子さん)
「主人が出来るだけやって後はつぶしてもいいつもりでいたので、息子が手伝ってくれるっていうのを言ってくれてそれが一番。」

涼さんは両親を説得し、別の場所に店を建て替えることにしました。

(川原涼さん)
「感染症対策のパーティション作っていただいて、これも全部置けるところには置いてます。」

緊急事態宣言の期間と重なり、ためらう気持ちもありましたが、テイクアウトも活用しながらオープンすることを決めました。

(川原涼さん)
「少しでも何か明るいニュースを届けられたかなと思うといい決断だった。今と変わらず愛される店でありたい、人間でありたいと思う。」

再出発に込めた感謝と覚悟の思い…。涼さんは、両親から受け継いだ変わらぬ味を、今後も真備町で届けていきます。