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2024.09.20

自閉症による生きづらさから救ったのは1本のペン 幅0.1ミリの線で繊細に描く若き画家の思い【岡山】

幅0.1ミリの線を巧みに操り描く絵画展が岡山市で開かれています。1本のペンから広がる繊細な作風に込められた思いを取材しました。

緻密な線で描かれる空想の世界。津山市出身、翔一朗さん(23)の作品です。翔一朗さんは小学3年生の時、自閉スペクトラム症と診断され、人前で話すことや文字を読むことなどが苦手で生きづらさを抱えていました。

そんな中、出会ったのが1本のペンでした。

(翔一朗さん)
「絵は友達みたいな感じで、これがなかったら僕じゃないという感じ。感情が強く出たときは絵が濃くなる。感情で濃淡が変わる時がある」

幅0.1ミリの線は翔一朗さんの頭の中のイメージを繊細に書き出します。

(翔一朗さん)
「例えば車と飛行機と動物だったら頭の中で分解して組み合わせて、(頭の中で)上や下から見て、できたものを書く」

得意の絵を活かし京都で手描き友禅の職人として働いていましたが、2年ほど前、SNSに投稿した作品に約4000件の「いいね」がついたことをきっかけに画家として生計を立てていくことが目標に。昔からの知り合いだった家具店で初めて個展を開くと緻密な絵が評判となり活躍の場も広がってきたと言います。

(さしこう 芦田和之専務)
「見た瞬間に、この絵は飾ってみたいなと思ったのが最初で、(客は)今まで見たことないという反応が多くて、緻密さに感心して感動してみている」

1本のペンから広がる緻密な世界。翔一朗さんの個展は岡山市の家具店「さしこう岡山大福店」で9月23日まで開かれています。