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備えをしていれば犠牲は…阪神淡路大震災で被災の僧侶が考える「震災の記憶伝える責任」【香川・小豆島町】

2023.01.17

備えをしていれば犠牲は…阪神淡路大震災で被災の僧侶が考える「震災の記憶伝える責任」【香川・小豆島町】

6434人の命が失われた阪神淡路大震災から2023年1月17日で28年です。香川県小豆島町の寺では法要が営まれました。28年前に兵庫県で被災した寺の僧侶に当時の状況と今の思いを聞きました。

まだ夜が明けていない午前6時。

小豆島霊場42番札所・西之滝 龍水寺では、震災が発生した時間に合わせて法要が行われました。

(参列者は…)
「(犠牲者の)魂が心静かに、遺族が穏やかに暮らしてほしいと祈った。この日をいろいろな意味で考えたい」

法要を行ったのは、当時兵庫県西宮市で被災した僧侶の小林龍應さん(76)です。2009年からこの寺に入り、毎年ここから犠牲者の冥福を祈っています。当時の悲惨な光景は今も脳裏に焼き付いているといいます。

(小林龍應さん)
「高速道路の橋げたが落ちたり、あちこちから煙が上がり救急車のサイレンが鳴って、すごい災害だと思った」

家屋の倒壊により大きな被害をもたらした阪神淡路大震災。小林さんが今も思うのは、備えをしていれば犠牲者は少なかったかもしれないということ。そしてそれを伝え続ける責任があると考えています。

(小林龍應さん)
「被災した時は何も準備ができていなかった。心も、ものの準備もできていなかった。震災に関わる行事をすることで、震災に思いを持ってもらいたい」

震災の記憶を伝え続けることで明るい未来につなげたい。小林さんを含めた被災者の切なる願いです。