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2023.10.12

10月は食品ロス削減月間 家にいながらスイーツの値引き販売情報も…ITの力でフードロス削減【岡山】

10月は食品ロス削減月間です。岡山県によりますと県内の食品ロスの量は約12.9万トン。このうちスーパーなどの小売業や外食産業において売れ残りや返品などの理由で発生する食品ロスの量は、年間2.3万トンと推計されています。こうした食品ロスを削減しようとITの力を使った対策が岡山県内で行われています。

(森下花音アナウンサー)
「デパートのデザート売り場ですが、上に設置されているのはカメラです」

カメラが映しているケーキやシュークリーム、賞味期限切れが近いため割引シールが貼られているものもあります。実はこの映像、専用のウェブアプリで中継されていて、消費者は家に居ながらスマホで値引き販売の状況を確認できるという仕組みです。

2022年に続き、岡山大学が市内のデパートやスーパーと連携して実施するもので、2022年は20%~50%の食品ロス削減につながった店舗もあったということです。

(岡山大学 松井康弘准教授)
「こういった事の周知が食品ロスの削減に貢献できるとデータとしても確認できた。」

中継アプリの他に、2023年は店頭での掲示物も充実させ、食品ロス削減へ向けた啓発に力を入れています。

(岡山大学 松井康弘准教授)
「こういったポップ。割引商品であれば割引に関係にあるメッセージを床に分かりやすく表示する」

(紀ノ國屋岡山天満屋店 逸見暁子店長)
「今まで値引きをしても購入に至らなかった商品もあった。今回のキャンペーンで値引きがきっかけで購入したり、来店のきっかけにもなれば」

この「のこり福キャンペーン」は天満屋岡山店など5店舗で10月末まで行われています。

一方、飲食店でも新たな取り組みが始まっています。岡山市南区の『豆と餅』はランチの定食が人気のカフェです。

(森下花音 アナウンサー)
「どんなフードロスが発生しますか?」

(豆と餅椋 代光太郎 マネージャー)
「当店では料理に全部豆腐を練りこんでいて、日持ちがしない。タルタルソースやおからのサラダは2日に一回、週に3回くらいのペースでフードロスが発生する」

そこで『豆と餅』が利用するのが、岡山市が10月2日から運用を開始した『ももったいない岡山』というウェブサイトです。

仕組みはこうです。登録した飲食店が食品ロスになりそうな商品を出品。消費者はスマホから商品を閲覧でき、気に入ればサイト上で予約、後で商品を店に引き取りに行きます。

先行してこのサイトを導入した兵庫県姫路市では、約4万7千人の消費者が登録していて、これまでで12トン以上の食品ロス削減につながりました。

(岡山市資源循環推進室 吉田章裕室長)
「どうしても事業活動の中で食品ロスが出てしまうので、できるだけ食べられるよう市民にサービスとして継続的な出品と購入してもらえたら」

『豆と餅』では売れ残ってしまった総菜をパック詰めし、テイクアウトとして出品する準備を進めています。

(豆と餅 椋代光太郎 マネージャー)
「僕らとしても売り切れなかったなと悔しい思いがあるので、それがまた客に喜んで食べてもらえたら嬉しい」